第548回 汗をかき

 
平成15年 7月24日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

今年の梅雨は長くて、太陽が顔をだす日が少なく、日照時間は
例年の半分以下しかない天気だったようです。


このためか、太陽が顔をだすと、急に暑くなったように感じてなりません。
暑さに身体が慣れていないためでしょうか。

その暑い日差しの元で、汗をかき真っ黒になって働く人びとの姿を
よく見かけます。


道路工事をする人、その横で赤と白の旗を持って、交通整理を
する警備員の人びと、ゴムの手袋をして電柱に登って工事を
する人びとなど、日陰に入ることもできなく、直射日光の中で、
頑張っておられます。


汗をかく仕事は大変なので、若者は嫌う傾向が多いようです。
そして、大人たちも出来るだけ暑さ寒さ辛さのない仕事を
するように、自分の子どもには進めるものです。


何とか高等教育を受けさせて、冷房の効いた過ごしやすい
環境の中で仕事が出来るようにと、親としては願うのも当然でしょう。


 しかし、誰かが大変な辛い仕事を引き受けないとこの世の中は
動いていきません。


人の嫌がることは出来だけ避けて、楽な仕事だけを期待するのは、
人間としては許されないことだと思います。


そう考えてくると、暑いときに汗をかき、寒いときに寒いところで
仕事をして戴く人びとこそ、もっとも尊敬されていい存在なのかも
しれません。
そういう人たちの努力によって私たちは、こうして安全で安心して
豊かな生活を送らせていただけるのですから。


 ところで、私たちが南无阿弥陀仏と讃嘆する阿弥陀如来は、
すべての人を何とか救いたいと、24時間365日、休む事なく、
この私が寝ているときも、忘れているときも、何とか救おうと
働きづめに働いていただいているのだと説かれます。


炎天下で汗を流して働いていただく人びとの姿を見る度に、
きっと阿弥陀さまも、反抗して振り向きもせず、逃げてばかりいる
この私を、何とかしようと努力していただいているのだろうと
思い当たると、有り難さもひとしおです。


気づかないところで、この私のために努力いただく人びと、
動物や自然、仏さま、みんなのお陰だと味わいたいものです。


南无阿弥陀仏は私の気づかないところで、この私を生かそうと、
この私のために努力戴くかたがたへの感謝の言葉だと
思えてなりません。


車で通るとき、汗をかいて働いておられる人のそばを通ったら、
南无阿弥陀仏のお念仏を口にしたいものです。


この私のために努力いただく、阿弥陀さまのご苦労のお姿を
しめしていただく尊いご縁だと、味わわせていただきたいものです。


私の出来ることを精一杯取り組ませていただく人生こそ、
喜び多い人生だと教えていただいているのだと思います。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
次回は、7月30日に新しい内容に変わります。