第418回 何で勉強するの

   平成13年 1月25日〜


妙念寺電話サービス、お電話ありがとうございます。

テレビで、こんな質問を見ました。
「何で勉強するの」と子供から聞かれたら、どう答えたら
いいのか。 というものです。


皆さんはどのように答えられますか。
子供さんの年齢にもよりましょうが、なかなか難しいものです。

いくつかの答えを放送していましたがその中に、勉強をしないと
将来恥をかくからとか。勉強しないと給料が安い仕事しかないから。


知識が増えると、知らない新しいことを知る喜びが多くなるとか。
人生の別れ道に、ちゃんとした判断ができるようになるなどと、
いうものでした。


こうした答えを聞きながら、もっともだと思うものの、どこかもう一つ、
はっきりしていない気がします。戦前の教育では、何事もお国の
為にと簡単に答えたのでしょうが、そうした確たるものが現代は
見当たりません。


お国のためにと、自分を無くして行動したことが間違いだったと
感じて、現代は自分のためだけ、自分の幸せのために行動する
ようになったのでしょう。


ところで、自分が幸せに成るためには、自分だけ幸せでよいのか
ということもあります。

自分が誰よりも幸せであることの喜びと、周りの人が同じように
幸せでないと、どこか心苦しい部分があります。


 
  お釈迦様がお説きなった教えの一つに、縁起の道理と
いうものがあります。


すべてのものは、多くの条件により生まれ、変化するものであり、
独立性を持たず、依存しあうものであるというものです。


これに対して、先ほどの、なぜ勉強するのかという質問への答えは、
どうも自分だけの幸せを考え、お互いに依存しあって生きていることを、
忘れているようにも思います。


ですから、勉強するのは私のためだけではなく、自分が一番得意な
ことを知り、どう社会に参加出来るか、自分の生きがいを探すために
勉強するのだということも出来ると思います。


自利と利他、自分の喜びと多くの人の喜び、南无阿弥陀仏を口に
しながら、利他ということを味わってみると、何故勉強をするのかが、
少しは見えて来るのではないかと思います。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。
次回は、2月1日に新しい内容に変わります。