雑感(平成22年01月-平成22年12月)


夢一岩 22.01.01

 あけましておめでとうございます。サガン鳥栖を愛する皆さん、サッカーが大好きな皆さん、郷土を愛する皆さん、全ての人々が幸せな世の中になり、健康で充実した年になることを祈念しています。そして、サガン鳥栖が郷土の誇りとなり、宝となる日を夢見ています。

 クラブのHPには、牛島代表取締役社長のあいさつがあり、2010年スローガン「夢一岩」も発表されました。年末年始関係なく活動されているフロントやクラブスタッフに感謝しています。

 12月24日谷田選手(富山へ)の移籍、島嵜選手、小泉トレーナーの退団が発表され心配していたが、12月25日柳澤隼選手(柏)の獲得、26日赤星選手、磯崎選手、浅井選手、野崎選手、長谷川選手、池田選手、下地選手との契約更新が発表されました。

 その後も27日に市原選手の獲得(大分:レンタル解消)、28日に首藤選手(水戸)、藤田直之選手(福岡大学)の獲得、30日に高橋選手(仙台へ)の移籍と木谷選手(仙台)の獲得、31日に豊田選手(京都レンタル)の獲得が発表されました。

 徐々にですが、新たなチームの輪郭が見えてきたようです。13日から自主トレでチームはスタートしますが、それまでには全員が発表されるのではないでしょうか。

 チーム、監督、選手は1年1年が勝負の年ですが、我々サポーターは1年1年が新たな年です。その積み重ねが、クラブの歴史でもあり、スポーツ文化の歴史にもなるのではないでしょうか。さらに、サガン鳥栖(サッカー)が地域の歴史となり、文化となることがクラブの究極の目的ではないでしょうか。

 2010年スローガン「夢一岩」にはどんな夢が託されているのでしょうか。ある面、昨季のチームは「夢昇格」はできませんでしたが、「夢一岩」にはなれたのかもしれません。しかし、「砂岩」全体が「一岩」になれたかというと、その域まで達しているとは言えないと思っています。

 年間シートも前年を上回ることができませんでした。さらに、ホーム試合数が21試合から26試合に増加しましたが、年間観客数は154,408人(前年152,486人)と微増で平均観客数は5,939人(前年7,261人)と18%減少しました。

 2010年はホーム18試合(19チーム)のため、大幅な減収になると思われます。過去においてナビスコカップにJ2チームが参加していた時代があり、復活することを期待していましたが、スポンサー関係か、ワールドカップとの競合か分かりませんが、J2参加は実現できませんでした。

 他力本願ではなく、自己努力によりこの難局を乗り越えなければなりません。その結果が監督交代や選手の年俸削減による経費削減になっているのではないでしょうか。今季からシーズン途中の移籍には期間制限が設けられており、昨季のようなサプライズも期待できないようです。

 したがって、キャンプでのチームづくり、テストマッチでの実践経験を確実にクリアしないとリーグ戦の最後までハラハラドキドキする展開にはならないのではないでしょうか。チームとしてはコンディションづくりが最重要課題になると思っていますが、キャンプ地を含めその面が不安です。 


 サポート活動 22.01.09

 新しい年を迎え、チームが始動する前にサポート活動を開始した。昨季は1月に後援会の年会費を納入し、2月にサガントス・ドリームパスポート(年間シート)を購入したが、今季は後援会の年会費納入、サガントス・ドリームパスポートの購入を昨日までに済ませた。

 クラブが始動後、1月6日に丹羽竜平選手(DF:神戸から)、早坂良太選手(MF:ホンダFCから) の完全移籍が発表されたが、1月7日に柳沢将之選手(DF:横浜FCへ) の移籍が発表され、驚きの年明けとなった。

 1月8日に昨季レンタルで活躍した山瀬幸宏選手(MF:横浜MFから) の完全移籍、日高選手、衛藤選手の契約更新とともに、韓国から文周元(モン・ジュウォン) 選手(MF:江原(カンウォン)FCから)の完全移籍と呂成海選手(ヨ・ソンヘ) 選手(DF:漢陽(ハニャン)大学校)の新加入が発表された。

 これで、今季の陣容は整ったように見えるが、コーチ・スタッフの発表がないこと、レンタル選手だったハーフナーマイク選手、島田選手、ホベルト選手、トジン選手の動向が不明であること、最後に飯尾選手の契約更新が未発表であること、韓国の有望若手選手獲得の噂があることなど、まだ未確定な要素もあり、今しばらくは不安な日々が続くのではないだろうか。

 ただ、言えることは岸野体制は終わり、ユン体制へとチームの舵がきられたことは間違いないようである。まだ、松本氏が監督でありユン体制とは言えないかもしれないが、長期的方向性は変わらないと思われる。

 どのようなチームになるか昨年以上の期待を胸に今季のサポート活動を開始した。


 チーム始動 22.01.23

 1月13日から自主トレが始るとのことであったが、大雪が降ったためか自主トレ情報がなかった。16日北部グランドを覗いてみたところ、ユンヘッドコーチ他のコーチ陣と10名程度の選手が鬼ごっこなどで汗を流していた。

 17日はベストアメニティスタジアムで選手紹介、ファン・サポーターとの運動会、今季初の公式練習があった。集まったファン・サポーター2,500人(西日本新聞発表)の前でチームが始動した。

 今季の特徴は、移籍やレンタル契約の期間満了で主力メンバーが大幅に入れ替わったことである。その結果、登録選手の減少、選手の大型化、若返りが図られた。登録選手の減少をカバーする意味でユースから選手4名をトップチームにも登録することが発表された。

 登録選手の縮小は、試合数の減少(4回戦→2回戦)に伴う入場料減収の対策でもあるが、ユース年代が育ってきた成果でもあり、ユース年代に対するチームの期待の表れでもあると感じている。このメンバーからチームの要となる選手が現れることを期待したい。

 1月27日から30日に中津江村、2月に鹿児島でキャンプすると発表されているが、1月18日から鳥栖市で行われている練習は早朝・午前・午後と3回の練習時間を設定しており、完全なサッカー漬けの生活を選手達に強いるなど、キャンプと同じような練習メニューとなっている。

 ファン・サポーターがチーム始動の日に2,500人集まったり、23日の練習(北部グランド)に100名以上が見学に訪れるなど、指導者が変わり、選手が変わり、どのようなサッカーを見せてくれるのか、今からワクワクしている人々が多いことに驚くとともに感謝している。


 テストマッチ 22.02.07

 中津江村キャンプの初日は小雨が降ったようであるが、心配された雪もなく、大きな怪我人もなく、順調にキャンプを終了したようである。

 1月30日、中津江村キャンプ最終日、佐賀大学とのテストマッチが行われた。佐賀大学とのテストマッチは、上海申花(熊本県・大津の森運動公園)とのテストマッチが上海申花の都合で中止されたため急遽決定されたものであった。

 ハードなキャンプ後のテストマッチがアジアカップ常連の上海申花(中国)だったので心配していたが、中止になり安堵していた。直前の申し込みに応じてくれた佐賀大学サッカー部に感謝したい。さらに、佐賀大学が前半に2点先制しサガン鳥栖が逆転するという展開で内容も期待以上だった。

 その後、鳥栖市の北部グランド、陸上競技場でトレーニングを続けるチームを元サガン選手の尹晶煥ヘッドコーチ、吉田恵 コーチ、再任の菊池忍フィジカルコーチ 、新任の金熙虎 コーチ、留任の本間康貴GKコーチが役割分担しながら指導しており、新鮮な感覚が充満している。

 2月3日の浦項ステイラーズとのテストマッチ(熊本市・水前寺競技場)を2対零、2月6日の「がまだすリーグ」V・ファーレン長崎とのテストマッチ(長崎県・島原市営陸上競技場)を2対1と連覇している。残念ながら熊本市、島原市ともに観戦に行くことはできなかったが、順調な仕上がりのようである。

 残り1ヶ月、怪我をしないために気持ちを張って練習するとともに、お互いの特徴を知り合うことが最重要課題ではないだろうか。仲良しクラブでは困るが、お互いを尊敬できるチームになることを期待している。

 2月11日水原三星(場所未定)、2月13日、14日北九州市長杯(北九州市・本城陸上競技場)、2月17日.ロアッソ熊本(鹿児島・ふれあいスポーツランド)、2月21日カターレ富山(鹿児島・鴨池陸上競技場)、2月28日ベストアメニティスタジアムネーミングライツ還元事業として.ベガルタ仙台(ベストアメニティスタジアム)がチームから発表されている。

 さらに、セレッソ大阪のHPによると2月19日宮崎市国際海浜エントランスプラザにてサガン鳥栖とテストマッチを行う旨発表されており、合計すると10試合のテストマッチを行うことになる。

 対戦相手も韓国チームが2試合、J1チーム2試合、J2チームが4試合(予定)、JFLチームが1試合、大学チームが1試合とバランスがとれた対戦相手となっている。キャンプを含めたチームづくりが計画的に実施されていると感じており、後はスタートダッシュを願うのみである。


 夏季キャンプ 22.02.21

 チームは、第一次キャンプ(日田市中津江村)終了後、2月3日浦項ステイラーズ(2対零)、2月6日V・ファーレン長崎(2対1)、2月11日水原三星(2対2)、2月13日岡山(1対1)、2月14日九州学生選抜(8対2)とテストマッチを順調に消化している。

 2月17日からの第二次キャンプ(鹿児島市)では、初日にロアッソ熊本(3対1)、2月19日セレッソ大阪(1対1)、2月20日岡山(零対4)と1勝1敗1引分けという結果になっており、2月21日には鹿屋体育大学(午前)とカターレ富山(午後)が予定されている。

 さらに、2月28日に.ベガルタ仙台(ベストアメニティスタジアム)との対戦を経て、3月7日のリーグ開幕(ホーム)札幌戦を迎えることになる。

 第一次キャンプ、第二次キャンプ、地元での練習を見る限り、順調に推移している。消化したテストマッチ9試合を5勝3引分け1敗となっており、得点だけでなく課題も見えてきたのではないだろうか。連戦の疲れだけでなく、選手層の薄さが気になるところである。

 昇格を争うライバルも同じような感じであるが、中にはサガン鳥栖の倍以上のチーム強化費を投下しているチームもあるようである。昇格の絶対条件はスタートダッシュとリーグ中断時期(6月中旬から7月中旬)の過ごし方(練習)に大きく影響されるのではないだろうか。

 この時期に夏季キャンプ(1週間程度)することができれば、後半への再ダッシュが期待できるが、テレビ(ワールドカップ)中心の生活であれば結果は異なってくる可能性もあるのではないだろうか。少ない予算で何ができるのかチームは夏季キャンプへの準備を始めるべきではないだろうか。


 開幕戦 22.03.07

 いよいよ待った2010年J2リーグ開幕戦である。新しいチームに生まれ変わったチームがどうのように闘うか期待と不安で一杯である。選手は大幅に入れ替わったが、監督・コーチは知った人ばかりで別のチームではなく、昔のチームが戻ってきたという感じがしている。

 今季は、昨季の51試合が36試合と大幅に減少したことにより、昇格争い、営業面への影響が大きい。しかし、プロリーグの1年間の試合数は、リーグ戦が34試合から38試合、カップ戦を入れて40試合前後というのが一般的である。

 それを前提としたチーム造り、営業活動、地域貢献活動にシフトすべきである。サガン鳥栖の基本理念である「まちづくり」「人づくり」「夢づくり」についても、今一度考えるべき時ではないだろうか。

 佐賀県、鳥栖市をはじめとする行政、企業・商工団体・商店街をはじめとする経済界、ファン・サポーターを中心とする佐賀県民、鳥栖市民、そして筑後地区の皆さんの関心も高まってきていることを感じている。

 開幕戦からトップを走ることができれば気持ちいいが、たとえ途中で敗れることがあっても、それを跳ね返す力が備わってきたと感じている。勝敗に一喜一憂するのは常ではあるが、その先に大きな目標があることを忘れてはならない。

 アシストクラブ(サガン鳥栖運営ボランティア)に参加しているため、生観戦する機会は少ないが、会場の熱気を感じながら今年も頑張りたい。


 サガントス後援会 22.03.13

 3月7日ホーム開幕戦(VS札幌)は1対1の引分けに終わった。生観戦はできなかったけれども、同点に追いついた歓声は場外までこだましていた。翌日、NHK佐賀放送の中継録画を見た。MF陣の連携はできているようだが、FW陣とMF陣の連携ができていなかった。

 今季のチームコンセプトはボールを動かすことにあると思う。それだけでは点にならないのでターゲットとなるFWを補強したが、テストマッチでも機能しているとは言えない状況であった。先々はツインタワーで試合に臨むことになると思われるが、役割分担を使い分ける必要があるのではないだろうか。

 金選手、野崎選手の突破力からチャンスをつかむか、豊田選手、萬代選手が時間を確保する間に衛藤選手、藤田選手が上がって攻撃するか、どちらにしても個の力でなく、チームの力で闘うというチームコンセプトを感じることができた。

 移籍環境が変化したことにより、対戦相手もサガン鳥栖と同様に的確な補強を行っており、今季必ず昇格できると公言できるほどのチーム力の差はないと思われる。選手たちにサガン鳥栖でプレイをしたいと思わせるチームコンセプトなり、サポーターの応援が今後、さらに重要になってくるのではないだろうか。

 2月28日に開催されたテストマッチ(VS仙台)において、サガントス後援会から株式会社サガンドリームスに対し、運営剰余金350万円の贈呈があり、平成21年度の支援総額が7,135,500円になったことが発表された。

 サガントス後援会は、21年12月末現在の会員数が668人(社)<内会費納入538人(社)>、会費収入783万円となっており、実に会費収入の91.1%がチーム支援となっている。平成19年2月に設立されたサガントス後援会は、設立後3年間で総額18,818,080円をチーム支援したことになる。

 このように地域に支えられているチームという魅力も「地域のために闘いたい。」という選手のモチベーションのために役立つのでないだろうか。会場で応援できない人々のためにも、地域に愛されているチームであるということを証明するためにも、後援会のさらなる発展に関係者の一人として努力したいと思っている。


 力負け 22.03.17

 3月14日、リーグ第2戦(VS千葉)は、前半は力相撲であったが、後半は地力に勝る千葉に零対2と力負けした。鳥栖が目指しているサッカーを逆に仕掛けられ、相手選手のプレシャーでパスミスを連発しているようでは、上位チームと勝負にはならないのではないだろうか。

 センターラインの3人が開幕戦から交代したことも影響があるかもしれないが、誰が出ても同じサッカーができることが大切ではないだろうか。リーグ後半戦で千葉に勝利するためには、個々のスキルアップと戦術の徹底が必要なようである。

 ワンタッチパスの足元でカットされるシーンが多かったのではないだろうか。素人判断であるが鳥栖の選手は同じリズムでプレイしていたのではないだろうか。ボールをキープするスペースを与えてもらえなかったのも、単調になった原因かもしれない。

 前に急ぎすぎたために、自分たちでスペースを消してしまったのかも知れない。守備的に闘ったとしても、良くても引分けであり、攻撃的に闘ったことは今後のことを考えるとベターな選択だったと言えるのではないだろうか。

 攻撃は最大の防御という言葉もあるとおり、守備的に闘うよりも攻撃的に闘ったことにより、得るものも多かったのではないだろうか。この経験を次に活かすことができれば、チームもまとまり、上位へのステップアップになると信じている。

 気になっていることは、選手の体調である。キャンプの疲れを残している選手、キャンプで出遅れて体調が整っていない選手もいるようである。幸いにも第3節は休みであり、この期間を体調調整の期間として、練習メニューを個人対応にするとともに、「考えるサッカー」を実践するためのトレーニングもお願いしたい。


 初勝利 22.04.04

 3月28日、リーグ第4節(愛媛戦)を2対1と勝利し、今季初勝利、勝点4、第11位となった。J2チーム数が奇数のため第3戦をお休みとなったサガン鳥栖にとっては3試合目で初勝利となった。

 過去7期(2004年松本監督就任以降)の初勝利を確認すると、開幕戦勝利2008年の1回、2試合目勝利2005年、2006年の2回、3試合目勝利2004年、2007年、2010年の3回、5試合目2009年の1回となっている。

 特に勝利が遅いというわけではないが、このままだと年間勝利数も例年並みとなる不安がある。3連勝、4連勝、10試合負けなしと言った離れ業がないと上位に食い込めない。

 少なくとも16試合終了時(ワールドカップ中断)で勝点35(現在勝点4)<残り試合13試合を10勝1分け2敗(勝点31)>の成績であればワールドカップが楽しめるのではないだろうか。

 第5節(4月4日)は、試合数、勝利数、勝点数も同じ、ファン・サポーターの期待も同じ甲府と対戦する。J1復帰を期待する甲府ファン・サポーターの熱意は鳥栖以上かもしれない。鳥栖にとっても、甲府にとっても、この試合を勝つか負けるかで今後が左右されるという重要な試合である。

 個人的には、愛媛戦後体調を崩し2日程寝込んでしまった。後援会やアシストクラブの後処理が終了し、ホットしたところで甲府戦である。連休を楽しく迎えることができるよう監督、コーチ、選手には頑張って欲しい。

 ところで、開幕戦と愛媛戦(ベストアメニティスタジアム)で選手達が行ったハイチ大地震、チリ大地震の募金活動で集まった10万83円をチームが日本赤十字社を通じて被災地に送ると新聞報道されている。

 これらの被災地では家族を亡くし、住むところを失った人々が大勢いることをこの募金活動で改めて考えることができた。そして、サッカーを楽しむことができる幸せを感じた募金活動でもあった。


 連勝 22.04.08

 4月4日、サガン鳥栖は、リーグ第5節(甲府戦)を2対零と完封し、今季初の2連勝、2勝1分け1敗、勝点7、第9位となった。典型的なアウエーの闘いで引いて守った割には被シュートが10本と少なく、逆にチャンスも少なかったが、シュート5本で2得点と効率的な試合運びとなった。

 これまでは、J2チームの中ではトップのシュート数であったが、決定率が極端に低く心配していた。格下だとボールをキープできるが、引かれてしまうためロングシュートの本数が増え決定率が低くなっていた。昨季はマイク選手の高さがあった。

 今季はFWの背は低い方ではないが、ヘッドが得意とか、ポストプレイが得意といった特徴があるわけではなく、チームプレイに迷いがあったのではないだろうか。裏を取る動き、スペースを活かす動き、相手DFの動きを止める動きなど、個々のFWの特徴を活かした闘いができれば連勝が続くのではないだろうか。

 一戦一戦が大切であり、これからの一戦一戦が来季J1昇格のポイントになるのではないだろうか。先を見つめるのはフロントの仕事であり、監督、コーチ、選手は明日の闘いに全力を集中させるべきである。

 ところで、プロ野球の世界でも、Jリーグの世界でも志を胸にリタイヤせざるを得なかったコーチ・選手がいる。非常に残念なことであるが、そのことを胸に闘い続けるのがプロの選手であり、応援できる喜びを忘れないのがファン・サポーターであると改めて感じさせられた。

 読売ジャイアンツ木村拓也内野守備走塁コーチの冥福を祈るとともに、J1大宮のDF塚本泰史選手へ激励のメッセージを4月10日の水戸戦で監督・コーチ・選手だけでなく、ファン・サポーターも含むベストアメニティスタジアム全体で発信できればと思っている。


 三連勝 22.04.13

 4月10日、第6節水戸戦を1対零の完封で勝利し、3連勝、勝点10で7位となった。試合はスカパーの録画観戦となったが、スタジアムでの得点シーンやその後のチヤンスの歓声が耳に残っている。豊田選手の得点に喜びながら仕上がりの遅さに不満を感じ、飯尾選手の頑張りにプロの意地を感じた試合でもあった。

 昨季の7月25日の水戸戦で敗れた以降、ベストアメニティスタジアムでは8/5甲府戦(引分け)、8/15東京X戦(引分け)、9/2横浜FC戦(勝ち)、9/6福岡戦(勝ち)、9/19富山戦(勝ち)、9/26東京V(勝ち)、10/4岐阜戦(勝ち)、11/2岡山(引分け)、12/5C大阪(勝ち)、3/7札幌戦(引分け)、3/28愛媛戦(勝ち)、4/10水戸戦(勝ち)と8勝4分けという12試合負けなしの記録が続いている。

 それなのに、観客が5千人にならないという現実に不安を感じている。原因は何か、チームとして分析され対策を講じていると思うが、改めて考えるべきかもしれない。これからが正念場である。

 ところで、水戸戦において、サガン鳥栖選手会主催でJ1大宮のDF塚本泰史選手への支援募金活動が行われた。チームのホームページによると、28万円の募金が集まったと報告されている。先に行われた大地震の募金に比べると3倍である。ファン・サポーターの関心が高かったことが証明された。

 明日は我が身である。塚本選手が今後とも前向きに生きる姿をファン・サポーターに見せてくれることを願っている。


 バトル・オブ・九州 22.04.24

 4月18日、第7節柏戦を零対2で敗れたサガン鳥栖は順位を8位と後退させたが、試合数も1試合少ないため上位へのステップには乗っている状況である。

 明日から始まるバトル・オブ・九州(4/25福岡戦・4/29熊本戦・5/9大分戦)の結果によっては、昇格ラインにアップするかもしれないが、逆に下位グループに仲間入りすることになるかもしれない。

 原因は、J2リーグのチームが19と奇数のため、第18節までは常に暫定順位ということから、試合数に応じて順位が移動するためであり、比較するには負け数がベターだと思われる。

 負け数だと、零の柏、1敗の熊本、徳島が上位にあり、2敗の大分、千葉、甲府、鳥栖、栃木、水戸、愛媛、札幌の8チームが横一線に並んでいるのが現状である。その結果、勝てば上位へ、負ければ下位グループへと移動することになる。

 バトル・オブ・九州の5チームでは1敗の熊本、2敗の大分、鳥栖、3敗の福岡、4敗の北九州の順位になるが、まず、2敗を堅持することが大事である。明日の福岡戦は意地のぶつかり合いになると思われるが、頭はクールに、ハートは強く、プレイは大きく、応援は熱くできればと思っている。

 久々の生観戦となる。今季初の生観戦のため開幕前日からワクワクしており、当日は開門前に並び、九州ダービーの雰囲気を大いに楽しみたいと思っている。


 対応能力のアップ 22.05.03

 4月25日の福岡戦を1対零で完封までは良かったが、4月29日の熊本戦と5月2日の東京V戦では先制され、ロスタイムでやっと追いつくという展開で1対1のドローという結果になった。

 連敗しなかったから良かったと喜ぶべきなのか、3連勝できていたのにと嘆くかは、5日の岡山戦、9日の大分戦の結果次第というのが正直なところである。5連勝ということになれば、J1昇格のダークホースとなり得たかもしれないが、チーム力からして5連勝を期待していたサポーターは少ないのではないだろうか。

 個人的には、最低でもバトル・オブ・九州では負けないことと、昨季の8月からのホーム負けなし連続記録の更新を期待している。残り2試合を連勝すればゴールデンウイークを3勝2引分け(6勝3引分け2敗)のホーム負けなしであれば、今後の展開に希望がもてる。

 4月29日の熊本戦は、ゴールデンウイークでもあることから、チーム関係者は観客数を6〜7千と予想していたが、熊本が好調なこともあり、8,697人と予想を裏切った結果となった。

 昨季はホームで敗れた熊本に引分け、アウエーで敗れた東京Vに引分けたことにチーム力のアップを感じたいところであるが、東京V戦では連戦の疲れからか、ピッチに水がまかれているのか、滑りやすいピッチに選手が苦労していた。

 同じ条件でプレイしており、ピッチ状況はいい訳にはならない。事前に情報を把握して対策を講じることもチーム力の一つである。監督・コーチ・選手だけでなく、社員全体の情報収集能力、対応能力のアップが必要なようである。


 バトル・オブ・九州U 22.05.14

 5月5日の岡山戦をスコアレスドローに終わったサガン鳥栖は、中三日で5月9日のバトル・オブ・九州第3戦大分戦に臨んだ。8年ぶり(2年前天皇杯で勝利している。)のリーグ戦対決で平成14年9月の「雑感」第1号を思い出した。

 大分スタジアムで応援して 14.9.20

 9月15日(日)の大分スタジアムで鳥栖フューチャーズを応援していたころを思い出した人は私だけではなかったと思う。チームに勢いがあるかどうか、地元から支持されているかどうか、それが応援風景から感じられた。

 当時は、大分陸上競技場や佐伯陸上競技場に佐賀(鳥栖)から大勢のサポーターが応援に出かけ、どちらがホームかわからないぐらいの応援をしていた。

 大分トリニータがJ1昇格を目標にチームもサポーターも一丸となっている姿を見ると、いつかサガン鳥栖もその時が来ると思うとともに、九州のチームがJ1で闘う姿を鳥栖スタジアムで見たいと思った。

 サガン鳥栖が誇れるのは、規模は小さいがサッカー観戦にはベストである鳥栖スタジアム、そして、薄給で頑張っている選手たちである。

 これらサガン鳥栖の宝を九州の宝、さらに、日本の宝にするためにも私たちはチームを支えなければならない。

 長い道のりだと思うが、達成された時の喜びを楽しみに、サガン鳥栖を応援する人々の輪を広げることから始めよう。それは私たちにできることだから‥‥‥

 あれから8年が経過した、その当時に比べ大分は元気がなかったが、大勢のサポーターが応援に駆けつけている姿から、チームを愛している人々がいかに多いか実感することができた。

 「九州のチームがJ1で闘う姿を鳥栖スタジアムで見たい」という思いは達成できていない。今季はバトル・オブ・九州として5チームがJ2リーグで闘っており、それなりに盛り上ると思われるが、一抹の寂しさが残るバトル・オブ・九州となっている。改めて、「九州のチームがJ1で闘う姿をベアスタで見たい」と思った。

 試合の方は、前半に大分に先制され、後半に鳥栖が逆転(金選手、長谷川選手)したのを、大分が同点、逆転する展開となったが、終盤に鳥栖が同点(金選手)に追いつき、ロスタイムで再逆転(日高選手)するという感動の幕切れであった。順位も5位の大分を逆転し、鳥栖が5位という申し分のない結果となった。

 ワールドカップ中断までの残り5試合を全勝すれば勝点34(勝率70%)となり、J1昇格の可能性が見えてくる。


 4位 22.05.19

 5月9日の大分戦で最高の結果(失点は褒められないが!)を得たサガン鳥栖は、5月15日ベストアメニティスタジアムで岐阜に3対零(早坂選手、金選手、豊田選手)と快勝した。3点以上での完封は2009年7月22日横浜FC(3対零)以来である。そして、赤星選手の働きは得点した選手にも負けないものであった。

 2009年7月25日(水戸戦)に敗れて以来ベストアメニティスタジアム14試合負けなしの記録も継続している。J2リーグ戦4位となったのは、2008年9月7日以来である。最終成績が4位となった2006年(松本監督3年目)でも4位になったのは第48節目(52試合)だった。

 チームが好調なのは嬉しいが、シーズンの前半の成績で浮かれてはいけない。4位(6勝2敗4引分け、勝点22)とは言っても同じ勝点で熊本と並んでおり、トップの柏は負数が零であるが、2位以下は2敗の甲府、千葉、鳥栖、栃木、3敗の熊本と接近しており、気を抜くと逆転される位置でもある。

 ワールドカップ中断までの残り4試合を全勝すれば勝点34(勝率70%)となり、J1昇格の可能性が見えてくるが、気がかりなのは次節の新旧監督対戦となる横浜FC戦、バトル・オブ・九州となる北九州戦である。

 普段どおりの闘いができれば勝点3が期待できるが、力みすぎると思わぬ結果となる。緊張感と積極性を失わない試合をすれば、結果は自ずとついてくるのではないだろうか。

 前からの守備でボールを奪取し、選手間のパススピードを上げるとともに、MFはサイド攻撃を意図し、FWが裏を意識すれば、自ずと相手守備が空き、後半に得点するというパターンができつつある。

 岐阜戦で気になったのは、観客数が4,620人(6試合平均6,377人)と伸び悩んでいることである。PRが不足しているのか、土曜日のデーゲームだからなのか不明であるが、同じ土曜日のデーゲームとなる次のホーム(VS北九州)の観客数を楽しみにしている。


 惨敗 22.05.23

 5月22日に開催されたJ2リーグ第14節横浜FCVS鳥栖戦は、ホベルト選手からのスルーパスを武岡選手がシュートしたがポストに嫌われ、そのリバンドを高地選手が決めた。2点目は高地選手が得たPKを○○選手が決め、3点目は相手選手のパスミスをカットした高地選手のダイレクトボールに反応した○○選手が決めた。

 4点目は高地選手のコーナーキックに○○選手がヘッドで合せて決め、○○が4対零で勝利した。○○を伏せて書くと鳥栖が大勝したようであるが、○○には大黒、横浜FCが入る。ユニホームに多少の違いがあるにしても、同じ(サガン)ブルーであり、まるで紅白戦のようでもあった。

 鳥栖のスタメンで岸野サガンを知っているのは、赤星選手、日高選手、下地選手、長谷川選手、山瀬選手の5人に対し、横浜FCで鳥栖に在籍していた選手は、シュナイダー選手、柳沢選手、金選手、ホベルト選手、武岡選手、高地選手の6人だった。

 今季の出だしで3連勝と好調だった横浜FCもその後の連敗で4勝9敗、勝点12と低迷していたのに比べ、出だしを1勝1分け1敗と好調とは言えなかった鳥栖は負けないサッカーで6勝4分け2敗、勝点22と好調であった。

 そこに油断があったのか、チームを良く知る前監督の術中にはまったのか、横浜FC選手たちの鳥栖への思いが強かったのか、その全てなのか不明ではあるが惨敗であった。

 なぜか、悔しさはあるが、サガン鳥栖の選手が団結する絶好の機会になったと感じている。残り3試合に全力を投入するとともに、ワールドカップ中断後のリーグ戦に、九州ダービーとともに、今回の恩返しをするという新たな目標が追加された。

 そのようにモチベーションを高めながらリーグ戦を闘うことが、戦術の徹底とともに大切なことではないだろうか。きっと、松本監督、ユンヘッドコーチならできると信じている。


 赤字決算 22.06.04

 5月29日、第15節ギャラヴァンツ北九州戦は、J2リーグ初対戦、バトル・オブ・九州の第4戦として、ベストアメニティスタジアムで開催された。前節の横浜FC戦による出場停止(呂選手、下地選手)のため、Jリーグ特別指定選手の森本選手(中京大学)が先発、黒木選手(佐賀大学)が途中出場となった。

 試合の方は、前半28分に北九州に先制を許したが、鳥栖が後半8分(金選手)、19分(衛藤選手)、21分(萬代選手)の3得点で逆転した。セットプレイで追加点を許したが3対2で逃げ切った。

 下位に低迷する北九州に先制されるという展開に、前半終了後、ゴール裏からはブーイングが発生していた。これは、ファン・サポーターの期待の表れであり、後半の連続得点で会場の雰囲気は大いに盛り上っていた。これで、バトル・オブ・九州は、前半が終了し、3勝1分け勝点10でトップで折り返すことができた。

 第15節は、玄海町が冠スポンサーとして、北ゲートでは焼きそば、佐賀牛炭火焼、イカの一夜干しなどが販売されるとともに、サガン鳥栖選手とのじゃんけん大会が開催され、シフォンケーキ、うまか鯛、イカちゃんなどがプレゼントされていた。他の市町も是非冠スポンサーになって欲しいと思わせるイベントであった。

 ところで、5月30日の佐賀新聞にサガン鳥栖の運営会社である株式会社サガンドリームスの株主総会が29日に開催され、第6期(09年3月〜10年2月)の決算(営業損益)が7,900万円の赤字だったことが報道されている。

 選手補強(シーズン途中)の人件費増、試合数増に伴う運営費増、移籍金の撤廃による収入減が赤字の原因ようである。今季はリーグ戦が15試合少なくなり入場料減が見込まれるが、試合運営費など営業費用を圧縮して3,200万円の黒字を目指すとのことである。

 Jリーグ発表の情報開示資料によるとサガン鳥栖の09年2月末の純資産が126百万円、繰越損失が633百万円と開示されており、厳しい財政状況であることは間違いない。 


 アウエー負け越し 22.06.06

 6月5日、サガン鳥栖は第16節カターレ富山戦を1対2と敗れ、アウエー2連敗となってしまった。15試合7勝4分け4敗、勝点25(勝率55.6%=25/45)となった。

 アウエーで3勝1分け4敗で負け越し、ホームで4勝3分けで負けなしという結果になっている。サポーターとしてはホーム負けなしは評価できるが、アウエーで勝ち越せないということは問題である。

 千葉と柏の敗戦は、その後の両チームの闘いぶりを見ても納得するしかなかったが、横浜FC戦の敗戦は気合負け、北九州戦は前半の緩みを実力でカバーし逆転勝ちしたが、富山戦では前半の緩みを締めなおした時には、守備の壁が形成され突破できなかったということかもしれない。

 この結果を見ると、選手だけの責任というよりもチーム全体のモチベーション、マネージメント、リーダーシップが問題のようである。戦術的にも相手監督(楚輪監督)に裏を取られていたようである。さらに、基本的な技術の失敗や選手間の連携も破たんしている。

 この原因は、選手個々の下位チームへの驕りであり、油断であり、気の緩みではないだろうか。次節の栃木戦はホームで上位チームなので、そのようなことはないと思うが、ワールドカップ中断中、ミニキャンプで再度チームを構築しなおすべきと感じている。


 ワールドカップ中断 22.06.14

 6月12日、サガン鳥栖は第17節栃木FC戦を3対1と快勝した。今季最速の開始2分、丹羽選手のロングボールに反応した衛藤選手が栃木DFと競って角度のないところからシュートしたボールが栃木GKの目の前を通過してゴールに吸い込まれた。鮮やかな先制ゴールである。

 同点とされた前半24分には、早坂選手のパスに反応した豊田選手が栃木GKと1対1となり、フェイントで一瞬停止したGKの股間をスルーするシュートでゴールした。また、3点目はロスタイムにレッドカード(2枚イエロー)で10人となった栃木FCを左右に揺さぶり、フリーとなった池田選手が得点した。池田選手は今季初ゴールである。

 生観戦はできなかったが、堅守の栃木FC相手に楽しいサッカーをしたようである。毎試合、このような試合を見たいが、ワールドカップ中断のため、次の試合は7月19日徳島戦(アウエー)である。是非、応援に行きたいと思っている。

 成績の方は、サガン鳥栖が8勝4分け4敗、勝点28(勝率58.3%=28/48)5位という結果になっている。1位は柏の勝点42(勝率87.5%)、2位は甲府の勝点34(勝率70.8%)、3位は千葉の勝点31(勝率64.5%)、4位は福岡の勝点29(勝率60.4%)である。

 理想的には3位で勝点33(不足5点)が欲しかったが、後半戦で挽回できる範囲である。逆に上位にJ1経験クラブがずらりと並び、挑戦者としては絶好の位置取りと言ってもいいかもしれない。中断中の1ヶ月をどのように過ごすかが昇格できるかどうかの分かれ道である。

 ハードな練習とともに適切な睡眠・食事が求められ、リフレッシュする必要もある。プロ意識を高く持ってワールドカップ中断中を過ごして欲しいと願っている。


 観客動員 22.06.19

 6月14日、日本代表はワールドカップ初戦でカメルーンを1対零で完封した。第二戦はオランダである。勝利を期待するけれど、そんなに甘くはないというもう一人の自分がいる。

 サガン鳥栖のJ1昇格も期待しており、ワールドカップ中断前としてはベストに近い位置取りである。しかし、そんなに甘くないと言うのが正直な気持ちである。サガン鳥栖の問題点としては、昇格可能な、言い換えればJ1で闘うだけの準備ができていないという現状にある。

 その問題点の一つが観客動員数である。昨季の観客動員数の平均は、昇格した仙台が12,951人、湘南が7,273人、セレッソ大阪が9,912人に対し、サガン鳥栖は5,939人である。また、過去にJ1で闘ったことのある札幌が10,207人、東京Vが5,521人、横浜FCが3,535人、甲府が11,059人、福岡が7,763人となっている。

 観客動員の平均が1万人、J2で達成できなくともJ1昇格すれば確実に達成できるチーム力、地域力が必要である。その目安となるのが今季からバトル・オブ・九州として開催されている九州ダービーの観客動員数である。

 途中経過であるが福岡が3試合で28,271人、大分が2試合で22,582人、鳥栖が2試合で14,425人、北九州が1試合で7,398人、熊本が1試合で6,067人、合計9試合で78,743人(平均8,749人)となっている。

 サガン鳥栖のバトル・オブ・九州の平均は7,213人でJ1昇格後、必ず1万人を動員できるとは言えないのではないだろうか。

 そのバトル・オブ・九州の観客動員効果については、それ以外の32試合(5チーム合計)平均が6,175人となっており、1試合当たりの観客が2,575人多いという結果になっている。

 09年についても同じ方法で検討したところ、1試合当たりの観客が3,556人多いという結果になっており、バトル・オブ・九州の観客動員効果は認められるが、その効果は09年に比べ10年は981人減少している。

 理由は不明であるが、全体の試合数が1チーム51試合から36試合に28%減少したにもかかわらず、バトル・オブ・九州の試合数が9試合から20試合と倍増したためかもしれない。

 いずれにしても、「バトル・オブ・九州でサッカーファンを掘り起こし、サガン鳥栖のJ1昇格の力になってもらう。」という戦略の下に、チームの広報活動の活性化、支援企業・自治体の冠スポンサーの拡大、ファン・サポーターの会場盛り上げという戦術を展開・強化すべきである。


財政基盤 22.06.2


 6月25日未明、日本代表はワールドカップ第三戦でデンマークに3対1で勝利、第二戦でオランダに零対1で敗れたものの、一次リーグ2勝1敗、勝点6で決勝トーナメントに進出した。最初に対戦するのは南米のパラグアイである。予想を裏切られたトーナメント進出であったが、今からの闘いもこれまで以上に厳しいものになるだろう。


 前回、サガン鳥栖がJ1で闘うだけの準備ができていないという指摘をしたが、今回は財政基盤について述べてみたい。


 サガン鳥栖は、平成9年2月発足後13年を経過している。市民クラブ(平成9年、10年)時代のデータが不明なので、株式会社サガン鳥栖(2期〜7期)、株式会社サガンドリームス(2期〜6期)で比較したいと思う。


 収入規模は、最高が18年の705百万円、最低が11年の229百万円、旧会社6年平均280百万円、新会社5年平均616百万円となっている。ちなみに、22年予算は620百万円である。新会社の規模は旧会社の2.2倍である。


 支出規模ででウエイトの高い「選手スタッフの人件費」で比較したいと思う。最高が18年の394百万円、最低が14年の115百万円、旧会社6年平均127百万円、新会社4年(21年は未公表)平均334百万円となっている。新会社の「選手スタッフの人件費」規模は2.6倍となっている。


 では、20年Jリーグ開示資料でJ1・J2で闘っているチームの規模を見てみたい。収入規模で比較するとJ1の18チーム平均が3,451百万円、J2の15チームが963百万円となっている。サガン鳥栖は、702百万円でJ2では上からも下からも8位という平均的なチームである。


 「選手スタッフの人件費」で比べると、J1の18チーム平均が1,656百万円、J2の15チームが447百万円となっている。サガン鳥栖は、317百万円でJ2では上から9位、下からも7位という平均的なチームである。20年jリーグ開示資料(当時J2)でJ1に昇格したチームを見てみたい。


 21年昇格した山形が626百万円(人件費392百万円)、甲府が1,263百万円(人件費587百万円)、広島が2,287百万円(人件費1,209百万円)となっており、22年昇格した仙台が1,421百万円(人件費606百万円)、湘南930百万円(人件費542万円)、C大阪1,940百万円(人件費824百万円)となっている。


 昇格したチームの収入規模は、山形の626百万円から広島の2,287百万円、人件費は山形392百万円から広島の1,209百万円となっており、以上のデータから判断すると、サガン鳥栖が参考とすべきは山形となる。


 しかし、同じ20年Jリーグ開示資料で鳥栖と山形を比較すると鳥栖は収入規模で上回るものの人件費で75百万円少ない。山形の「その他の収入」が285百万円となっており、鳥栖の148百万円に比べ137百万円多く、山形の「一般管理費」が126百万円となっており、鳥栖の227百万円に比べ101百万円少ない。


 山形の収入が少ないのに人件費が多いという特徴は財団という組織の特殊性にありそうで参考にはならないと思われるが、人件費が4億円程度でも昇格できるという目安にはなりそうである。当面、人件費4億円を捻出できる財政規模が最低ラインのようである。


 そう考えると、財政規模は最低でも8億円程度は必要だと思われ、そのためのスキームを考えるべきである。


 リーグ戦再開 22.07.25

 ワールドカップの日本代表は、準優勝したオランダに敗れただけで、ベスト16という結果になった。決勝トーナメント1回戦で対戦したパラグアイに延長、PK戦の末、敗戦した。PK戦は時の運とも言われており、予想以上の善戦で日本中が盛り上った。

 7月19日、J2リーグも再開し、徳島ヴォルディス(アウエー)が対戦相手であった。今季初の長距離遠征と張り切っていたが、応募者が少なくバスツアーが中止となったため、テレビ観戦となってしまった。

 中断期間中のトレーニングが見えてくるような試合展開で、金選手のクロスに反応した萬代選手のヘッドで先制した。オフサイド判定でもおかしくない徳島の突破から同点にされ、さらに、カウンターから逆転された。前半、ボールは支配できたが速攻にやられたという感じだった。

 後半、徳島は守るのではなく、FWが前線からプレスして攻撃的に対応してきたたため、鳥栖は得意のパス回しができず、得点の匂いがしない試合展開になってしまった。赤星選手がPKを止めるなど、追加点は取られなかったが、同点にすることもできなかった。

 夏場の練習で体力を消耗していたのか、終盤には双方ともに動けなくなっており、体力の回復方法と戦術の組み合わせが勝敗を左右するのではないかと感じた。勝利すれば3位千葉と勝点で並ぶはずだったが、メンタルメンでの指導も必要なようである。

 今日、25日は再開後、初のホームである。対戦相手は下位に低迷する草津ではあるが、前節、福岡に勝利しており油断はできない。サポーターとしては前半で勝負を決めて、楽しく観戦したいと願っているが、ワールドカップの影響なのか、猛暑の影響なのかロスタイムでの得点が多いようである。

 最後まで、気を引き締めて応援するのもサポーターの役割かもしれない。それが選手たちが最後まで頑張る糧になるのではないだろうか。


 バトル・オブ・九州V 22.08.05

 7月25日のホーム草津戦は、ほとんど観戦することもできず、録画放送の時間帯にも恵まれず、試合内容は不明であるがスコアレスのドローであった。愛媛戦に期待したが、藤田選手のミドルシュートによる1点のみで、追加点が取れなかったところ、愛媛のロングボールに対応しきれなく同点に追いつかれてしまった。

 再開後の成績が2分け1敗、勝点2では昇格争いから脱落してもおかしくないところであるが、3位千葉が1勝1分け1敗、4位福岡が1休み1分け1敗、6位熊本が1勝1分け1敗と勝点が伸び悩んでいることから、3位千葉(勝点35)の次に勝点30で福岡、鳥栖、熊本の3チームが並んで追いかけるという展開になっている。

 勝点30で並んでいる福岡、鳥栖、熊本の3チームと下位に低迷している大分、北九州の5チームが今季からバトル・オブ・九州としてしのぎを削っているが、順位的には鳥栖(勝点10)、福岡(勝点9)、熊本(勝点3)、北九州(勝点2)、大分(勝点2)となっている。

 一方、観客動員は大分(平均11,244人)、福岡(同7,541人)、鳥栖(同6,111人)、熊本(同5,266人)、北九州(同4,236人)となっており、九州同士の戦いが観客増に貢献したのが、北九州(191.1%=九州外平均に対する割合)、福岡(147.0%)、鳥栖(125.6%)、熊本(117.5%)、大分(100.5%)となっている。

 大分は、地理的な条件からか九州のチームもそれ以外のチームも観客数が変わらないという結果になっている。効果があったのは北九州、福岡であるが、対戦相手を考えると鳥栖も伸びる可能性がある。

 九州の5チームの観客動員数が伸びるためには、福岡、鳥栖、熊本の3チームの中から千葉を逆転するチームが出てくることであり、大分や北九州が上位に進出することが必要である。昇格争いは鳥栖に期待したいが、絶対的なエースがいないという弱点が見えてきており、どう改善するかが見所になるのではないだろうか。

 8月早々、サガン鳥栖は横浜FCへ野崎陽介選手(MF)を期限付移籍し、横浜FCから田中輝和(DF)を同じく期限付き移籍で獲得した。さらに、選手の獲得があるのかどうか不明ではあるが、選手たちがいかにリフレッシュし、闘争心をもってこの夏場を闘うかが大切ではないだろうか。


 不敗記録 22.08.21

 8月8日、3位千葉を迎えた第21節はサガン鳥栖の2得点で引き分けた。1点目はオンゴールだったが、2点目は素晴らしい藤田選手のミドルシュートだった。金選手のヘッドによる折り返しを胸でトラップし、DF2人とGKの隙間を狙ったシュートがゴール右側すれすれに決まった。同じことは二度とできないゴールである。

 しかし、追加点を狙った攻撃は10人となった千葉の堅守を突破することができなかった。ワールドカップ中断後の成績は3引分け1敗、勝点3で中断前の5位から7位へ転落するとともに3位千葉との勝点差3が勝点差8に開いた。

 第21節に勝利していれば3位千葉と勝点差5であったが、後1点、後1勝が大きな壁となっている。第22節(8月14日)サガン鳥栖はお休みで、いつのまにか、4位福岡(勝点34)、5位東京V(33)、6位栃木(32)、7位鳥栖(31)、8位徳島(31)、9位熊本(31)、10位横浜FC(29)と第二集団を形成している。

 勝ち続ければ3位千葉に肉薄することができるが、一敗でもすれば10位以下に転落するという瀬戸際の状態である。

 残り16試合、バトル・オブ・九州1位をキープするとともに、3位にいかに肉薄し、逆転できるかの鍵は、気迫であり、冷静さであり、運動力であり、戦術かもしれない。我々サポーターはチームを信じて応援するしかない。

 後半戦は、日曜日開催がほとんどで、アシストクラブに参加している者としては日曜日ナイターはしんどい。勝利で喜びながらの作業と負けて悔しさ一杯の作業では疲れ方も違う。その意味で、ベストアメニュティスタジアム18試合連続負けなしという記録はあり難い。

 9月12日の甲府戦(ブリヂストンデー)、9月23日の福岡戦、11月20日柏戦、11月28日の大分戦が後半戦の注目カードであるが、不敗記録が継続できるよう祈っている。


 9位 22.09.04

 ワールドカップ中断後6試合を闘ったが、1敗5引分け、勝点5で未勝利である。中断期間中の過ごし方の問題か、練習量の問題か、選手たちの意識の問題か不明である。対戦相手も徳島、草津、愛媛、千葉、富山、水戸で5勝1分けでもおかしくないと思わせる。それが問題なのかもしれない。

 強豪相手であると全力で闘いに臨むが、この暑さで省エネで勝ちたいと思ってもしかたがないところである。指揮官が引き締めて試合に臨むべきであるが、それができていないということではないだろうか。

 原因は選手層の薄さではないだろうか。次の試合に出れるかどうか分からないという競争の中では手抜きはできない。指揮官も全力を尽くすよう本気で指導できるが、次の試合を考えると無理をさせることはできない。そのような自己矛盾に陥っていると感じている。

 ところで、JリーグのHPで平成21年度(2009年)のクラブ別収支状況が公表されている。J2の営業収入を紹介をすると、22億代がC大阪、15億円代が札幌仙台、10億円代が湘南甲府福岡、9億円代が横浜FC、8億円代が東京V、7億円代が徳島、6億円代が富山、岡山、鳥栖、熊本、5億円代が栃木、草津、愛媛、4億円代が水戸、岐阜となっている。

 赤書3チームが昨年度の昇格チームであるが仙台、湘南は今季J1で降格争いをしている。青書5チームがJ1経験チームである。そう考えると鳥栖の現時点の9位は妥当かもしれない。しかし、スポーツは小が大を倒すというのが醍醐味であり、負けていい勝負はない。

 単純であるが10億円以上の営業収入がなければJ1昇格は無理であり、さらに、J1から降格しないためには20億円以上の営業収入が必要だということかもしれない。J1最少の山形は11億円代で頑張っているが、予算規模が下から2位だった大分が19億円代で降格している。

 ちなみに、千葉が26億円代、柏が28億円代であった。鳥栖としては、山形を参考にチーム造りを行うべきであるが、経済情勢の悪化で営業収入6億円を維持するのがやっとと言う現実がある。


 久しぶりの勝利 22.09.20

 ワールドカップ中断後8試合目の札幌戦で、久々の勝利を手にした。豊田が獲得したPKを自ら決めて1対零で勝利した。6月12日ホーム栃木戦での勝利以来である。8試合を1勝2敗5引分け、勝点8を加算しただけである。その間に九州のライバルである福岡、熊本に抜かれ10位までサガン鳥栖は後退した。(1勝して8位浮上)

 一方、福岡は5勝1敗2引分け勝点17、熊本は3勝2敗4引分け勝点13を加算している。3位福岡とは勝点差10となっている。立場が変われば残り11試合、逆転も可能である。奇跡が起きるかどうかは第27節の福岡戦の結果次第ということになるのではないだろうか。

 九州ダービーでは福岡、熊本に負けたくない。サガン鳥栖には、ぜひともバトル・オブ・九州の初代チャンピョンにはなって欲しい。その結果があれば、昇格争いに加わることも可能である。

 札幌戦では、ピッチの状態がも悪く両チームの選手たちがかわいそうであった。昨年の佐賀陸上競技場を思い出していた。10月17日には横浜FCとの闘いが佐賀陸上競技場で開催される。もう一つのダービーとも言える試合である。ベストのコンディションで闘って欲しいと願っている。


 久々の負け 22.09.24

 9月23日、J2リーグ第27節サガン鳥栖はアビスパ福岡戦を零対1で完封負けした。この敗戦は記憶に残る敗戦でもあり、記録に残る敗戦でもある。ホームで連敗したのは、2009年5月24日第17節愛媛FCに零対2、6月3日第19節徳島ヴォルティスに零対2で連続完封された以来である。

 対アビスパ福岡戦は、2008年5月31日1対3(ベアスタ)で敗れた後、同年8月30日2対2(レベスタ)、2009年5月10日零対零(レベスタ)、同年7月4日3対1(ベアスタ)、同年9月6日3対1(ベアスタ)、2010年4月25日1対零(レベスタ)と直近5試合負けなしであった。

 残念ながら、九州ダービーは体調を崩し、自宅で久々のホームゲームテレビ観戦であった。前に1回いつだったか思い出せないが、自宅でテレビ観戦した記憶がある。親戚の法事が終了後、後半からスタジアムへ駆けつけたこともある。最近はスタジアムにいても試合を見れない状態であり、逆に試合を堪能できたのかもしれない。

 敗戦は残念であるが、サガン鳥栖の選手に緊張感が漂うも、アビスパ福岡の選手に焦りが感じられなかった。いつもサガン鳥栖の選手の粘りにいらつくアビスパの選手という構図から、思うようにボールが運べないあせりがあるサガン鳥栖に対し、余裕を持って対応しているアビスパという構図が見えてきた。

 この差は、チーム熟成度の差かもしれない。監督・コーチが変わり新しい戦術を志向しているチームと監督がチーム誕生時からの選手で、引退後もチームの指導者として活躍し、監督に就任してから3年目のチームの差ではないだろうか。

 また、選手の年俸の差かもしれない。2009年度の選手・チームスタッフの人件費が福岡479百万円、鳥栖313百万円と鳥栖は福岡の65%である。それで、2009年度は勝ち越していたのだから、そうとは言えないのかもしれないが!

 どちらにしても、2010年度のJ1昇格争いに敗れたと思わせる痛い敗戦であった。これからは、チームが成熟するためにどうしたらいいかという命題を課すことにより、残り11試合を意義あるものにして欲しいと願うばかりである。


 勝点差 22.10.02

 9月26日、中2日で開催された第28節でサガン鳥栖は、相手のオンゴールもあり、2対零でザスパ草津に勝利し、勝点3をゲットした。勝点39で順位を7位とし、当面の目標となる3位福岡が柏に敗れたため、福岡との勝点差が10となった。

 同じ勝点差10であっても、直接対決前の勝点差10とは重みが全く違う。直接対決で勝利すれば勝点差7であり、結果として福岡が柏に敗れているので現時点で勝点差4という結果になっていた。

 その場合は、福岡、千葉、東京V、鳥栖の4チームによる3位争いになっていたと想定されるが、福岡が柏に敗れても、千葉が試合なしのため勝点差に異動がなく、現実の昇格争いは2チームの争いとなっている。

 それ以下は、残り試合が1試合少ない東京V(43)、熊本(38)、栃木(37)、岐阜(36)、愛媛(35)と残り試合が1試合多い横浜FC(39)、鳥栖(39)、徳島(38)との混戦となっている。来季のことを考えると3位は無理でも5位にはなって欲しい。

 そして、少しでも3位、4位のチームにプレッシャーをかけて欲しいと願っている。今季メンバーが大幅に入れ替わった中で5位を確保できれば、来季以降の昇格も見えてくるのではないだろうか。二桁代の成績になる可能性もあるが、その場合はチーム構想から立て直す必要があるかもしれない。


 天皇杯敗退 22.10.10

 10月3日に開催された第29節でファジアーノ岡山に1対2で敗れたサガン鳥栖は順位も8位と後退したが、3位福岡も敗れたため勝点差は10のままである。10月9日に開催された天皇杯3回戦(VS横浜Fマリノス)に勝利し、リーグ戦残り9試合に弾みをつけたかったが、1対2と敗れた。

 現地応援もできず、テレビ観戦もできず、パソコンの速報だけという環境で祈っていたが、その願いは届かなかった。今季の限界を感じた日でもあった。しかし、チームは存続するし、リーグ戦も9試合残っている。

 遅攻、速攻、キープと選手のレベルにあった戦術を組み合わせれば、リーグ戦で一定の勝利を得ることができるだろう。しかし、J1昇格は困難になるだろうし、J1で闘えるチームにはできないだろう。

 全選手のスキルをアップするとともに、戦術もJ1レベルの戦術を徹底しないと夢は達成できない。その過程ではチームがもろくなることも予想されるが、そのチームを信じてついていくサポーターも不可欠である。

 今季のサガン鳥栖がどの段階のチームなのか、サポーターが理解し、選手たちが理解しているのであれば、チームのまとまりも良くなるのではないだろうか。そのためには、フロントの方針がぶれないことと、運営会社に対する地域社会のバックアップが大切である。

 我々サポーターは、今季のサガン鳥栖はJ1昇格を目指す過程のチームであることを信じて応援するのみである。


 新旧対決 22.10.24

 10月17日、J2リーグ第30節横浜FC戦、第14節零対4と大敗した相手に、前半3対零というお返しをしたところまでは良かったが、後半得点されると次々と得点され、気がつくと同点、逆転までされてしまっていた。

 新たなダービーとなった新旧チームの対決は、お互いに力が入った闘いになると予想されたが、前半、後半ともに一方的な闘いとなってしまった。残念ながら私事で遅れて後半途中から観戦した私にとっては、到着した時の3対零がひっくり換えるとは夢にも思わなかった。

 後半の闘いを見るとセットプレイの球の質がサガン鳥栖と違っていた。スピードのある伸びのあるボールにGKも出れないし、DFも対応できていなかった。後半、一気にウインクポイントを突かれた格好である。

 ゴール前でファールをしないようにと祈るしかなかったが、ロングボールでDFの裏を取られると、後半はファールで止めるしかなくなっていた。ロングボールであれ、スルーパスであれ、相手チームのDFの裏を取るか、1対1の勝負で勝つかがポイントであった。

 3対4と逆転された後の豊田の得点は1対1の勝負に勝った結果である。お互いのやり方は熟知しており、相手にブレーキをかけるタイミングはハーフタイムと選手交代だったと思うのだが、横浜FC側は対応でき、サガン鳥栖はできなかった。

 今季のサガン鳥栖は、交代選手が活躍できていないのが問題である。選手層が薄いというのも理由になるが、首脳陣の意図が選手に伝わっていないのではないだろうか。ただ、疲れた選手の交代では寂しい。もっと、意味のある交代にして欲しいと願っている。


 連敗 22.11.03

 10月24日、東京ヴェルディに零対1(PK)で敗れ、10月31日、ロアッソ熊本の零対2と完敗した。今季初の連敗、そして第4節以来の得失点差がマイナスになった。今季の前半に5敗、後半に5敗、合計10敗しているが、敗れた翌試合は6勝2分け1敗と勝率が高かった。

 引分けも前半に5回、後半に5回で、勝利のみが前半8勝、後半が2勝という結果になっている。トータルで10勝10分け10敗、勝点40で11位という結果になっている。残り6試合を全勝すれば、前半と同じ勝点になり、J1昇格は無理であるが、それなりの順位になると予想される。

 しかし、熊本戦の後半の戦い方を見ると、残り全勝するということは実現不可能な希望に思えてくる。実現可能な目標は得失点差をプラスにすること、順位を一桁代にすることではないだろうか。

 そして、来季のチーム構想を念頭においたベンチワークを行うことにより、選手のモチベーションを高める必要がありそうである。当面の目標を二つともクリアできない場合はフロント、コーチ陣の責任も追及されるべきかもしれない。

 新体制1年目の今季は、結果にこだわる必要はないかもしれないが、前半の闘いができなくなった原因を追究すべきあり、その反省がないと来季も同じような結果になる可能性がある。

 チームを愛する人々(監督、コーチ、選手、フロント、スタッフ、サポーター、地域の人々)が砂岩となることが大切であるが、お互いに切磋琢磨することも忘れてはならない。


 勝利のハイタッチ 22.11.13

 11月7日、徳島ヴォルティスに1対零で勝利し、6月12日栃木FCに勝利して以来のベストアメニティスタジアムでの久々の勝利となった。ホーム勝利試合で実施しているサガントス後援会の勝利のハイタッチも久々のハイタッチとなった。

 試合展開は、シュート数は鳥栖が多かったが、得点を決めきれず引分けもありというパターンだった。セットプレイではなく、流れの中で豊田選手が得点したが、相手守備陣の連携ミスとも言えるようなシーンであったが、その狭間で得点した豊田選手にエールを送りたい。

 豊田選手は、今季のスタート時点ではコンディションが十分ではなく、試合を重ねるごとに良くなったかなと思った時にはワールドカップ中断があり、再開後はまたスタート時点に逆戻りし、試合数をこなすことによって体の切れもでてきたようである。

 本人の意識の問題なのか、体質の問題なのか、トレーニング方法の問題なのか不明であるが、オフにおける食事管理、体調管理、トレーニングメニューなど専門家のアドバイスが必要なようである。もう一人、期待されながら控えのFWに甘んじている萬代選手がいる。彼も個別指導が必要な逸材だと思っている。

 素人の考えであるが、来季のことを考えるとファールの多さが気になっている。闘う心は大切であるが、試合終盤に体力が続かないのか、考える余裕がないのか不要なファールが多いのではないだろうか。これは指導者の責任であり、90分走れる選手、最後まであきらめない選手を起用すべきであるし、練習で鍛える、考えさせる必要があるのではないだろうか。

 残り5試合(ホーム2試合)、全勝とは言わないが、ホームで勝って勝利のハイタッチができるよう選手たちには頑張っていただきたい。


 今季終了 22.12.12

 12月4日の最終戦となった栃木戦に敗戦し、13勝12引分け11敗、勝点51、第9位となった。この1ヶ月間、忙しかったというべきか、余裕がなかったというべきか、ホームページを更新することができなかった。

 戦績を紹介すると、11月14日FC岐阜(1対零)、11月20日柏戦(1対1)、11月23日北九州戦(1対零)、11月28日大分戦(零対零)、そして12月4日栃木戦(1対2)となっている。残り5試合を2勝2引分け1敗という結果になった。

 今季初の連敗となった熊本戦後、チームのコンセプトが攻撃から守備へと変化したのではないだろうか。これは飯尾選手が先発した30節以降の変化かもしれない。呂選手の身長と体格には負けるが、飯尾選手のコーティング能力が生かされた結果だっと感じている。

 これで攻撃陣が活性化すれば連勝もあり得たのかもしれないが、全体が下がっているため、ボランチ陣が攻撃まで足が伸びないというジレンマが生じているのではないだろうか。これを克服するには運動量が必要である。ワールドカップ中断で体力をコントロールできなかったことが今季後半低迷の大きな原因があるのではないかと思っている。

 攻撃陣の問題は、中央攻撃の攻撃力が強ければ強いほどサイド攻撃の重要性は高まるが、弱ければサイド攻撃は封印されてしまう。その意味でのバランスが必要であり選手間のコミュニケーションが大切になってくるのではないだろうか。攻撃陣はシャイな人が多いようで、リーダーになる人が必要なようである。

 チームの課題であったセットプレイの守備については、マンツーマンからゾーンディフェンスに変更して、ガックリのシーンは少なくなったのではないだろうか。大型選手が補強されセットプレイによる得点が期待されたが課題として残っている。

 総合すると課題が多く残ったシーズンであったが、昨季終了後、大量の移籍者が発生し、チームを再生したことを考えると合格点かもしれない。

 チームは、12月5日にシーズン終了報告会を3箇所(アシストクラブ、一般サポーター、後援会会員)で開催した。その席で、松本監督から退任する旨の報告があった。

 7年前、財政難、人材難による経営陣の混乱、リーグワースト記録更新という最悪最低のチームに赴任され監督として通算4年、GMとして3年、サガン鳥栖のために尽力いただいた。サポーターの一人として感謝申し上げたい。

 そして、今後とも影からサガン鳥栖を応援・支援・協力をしていただきたいと願っている。松本監督に代わる人材はいないが、そのような人材を育てることはできるのではないだろうか。それは、30年後か、50年後かもしれないが、すばらしい先輩がいたことを忘れない。そのようなチームになって欲しい。


サポーターミーティング 22.12.19

 12月18日、ベストアメニティスタジアムでサポーターミーティングが開催された。所要があり、開始時間ぎりぎりに会場入りしたが、会場内には空席がない状態であった。社員が用意してくれた椅子に座ることができたが、初めての経験であった。チーム発表によると参加者は116人ということであった。

 議事録は、後日、HPに掲載されるとのことで、詳細には触れないが、@松本育夫氏はアドバイザー(ポストは未定)としてクラブに残ること、Aユニホームが3年ぶりにモデルチェンジすること、Bユニホームスポンサー(4箇所)は確保できていること、C練習場の確保に向けて努力していることなどが報告された。

 また、チームの方向性としては、終盤のメンバーを核としたチームに新メンバーを補強し、チームコンセプトである「考えるサッカー」「パスサッカー」をベースにサポーターが楽しめるサッカーを実現するとともに、J1昇格を目指したいとの説明があった。

 興味深かったのは、問題となっている横断幕の掲出について、サポーター間の意見交換が行われたことである。掲出者の想い、サポーターの想い、一般観客の思いとそれぞれの想いが伝えられたことに意義があったのではないだろうか。

 同じ想いの人々が新たな表現で横断幕を製作し、一緒に掲げるのも面白いかもしれない。相手チームを見下したり、中傷するのではなく、自らのアイデンティティを主張し、チームを鼓舞する横断幕には大賛成である。


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