雑感(平成17年1月-平成17年6月)


1月・2月・3月・4月・5月・6月


 夢(DREAM) 17.1.3

  1月3日の朝、8時15分からのSTSの新春放談に井川幸広氏が出演していた。サガン鳥栖の将来に大きくかかわる人物の発言として注目して聞いた。株式会社サガン鳥栖との営業権譲渡交渉の情報が発信がされていないことから心配していたが、郷土愛と経営に対するポリシーを感じることができた。

 Jリーグ30チームの中でサガン鳥栖がオンリーワンだと言われるものを実現したいとの思いは伝わった。しかし、直ぐにでもチームを立ち上げる必要があり、理念を語る時間はないかもしれないが、単にプロサッカーの興行に終わるのではなく、その郷土愛が伝わる理念を模索していただきたいと思っている。

 私は、サガン鳥栖の社長には、夢を語れる人がなるべきであり、それを実現できる能力と意欲がある人がふさわしいと思っていた。もし、能力が不足するのであれば周りが支えるべきであるが、井川氏にはその心配はないようである。

 ちなみに、財団法人日本サッカー協会(川淵キャプテン)からJFA2005宣言として「DREAM 夢があるから強くなる」が発表されおり、また、井川氏が主宰する会社は、株式会社サガンドリームスである。

 ところで、新春放談終了後、大宰府天満宮に初詣して帰宅したところ、株式会社サガン鳥栖から臨時株主総会の招集通知が来ていた。祈りが通じたのかやっと前進してホットしているところである。

 株式会社サガン鳥栖の株主としては寂しい思いもあるが、この8年間で我々の役目が終わり、新たな人々にバトンタッチできる安心もある。株主としては、この2年間開催されなかったが、年初に行う激励会に毎年、旧株主として招待していただければ、この上ない喜びである。今後は、サポーターとしてチームを応援・支援したい。

 臨時株主総会は、平成17年1月17日(月)19時から鳥栖商工センター大会議室(2階)で開催される。議案は、株式会社サガンドリームスに対する営業譲渡の件、当社解散の件である。譲渡価額は常識の範囲であり、賛成したいと思っている。仔細については、新聞発表に譲りたい。


 各人の責任 17.1.6

 1月5日の佐賀新聞1面に「サガン2400万円で譲渡」との見出しで、さらに、1月6日の佐賀新聞では「当期利益3000万円予想 借入金払い株主に分配」との見出しで報道されている。

 1月5日に古賀社長の記者会見が行われたようであるが、一部報道機関が営業権譲渡の価額を2100万円と報道するなど情報公開の方法にも問題があるようである。誤報ではないが、営業権を2100万円と評価し、12月及び1月の経費の一部(300万円)を来季の前払費用として加算して譲渡価額2400万円と算定したということではないだろうか。

 今季のサガン鳥栖は、前期に引き続き大幅な赤字と予想していたが、1月5日の記者会見では売上高が3億3千万円、利益が3千万円とのことでビックリしている。株式会社サガン鳥栖としては過去最高の売上高である。株主としては信じられない思いであるが、監査役同席の発表であり信じるしかないであろう。

 これで、新しいチームが誕生したわけではない。1月17日(月)の臨時株主総会において出席者(委任状を含む。)の3分の2以上の賛成が必要である。これが株主の最後の仕事(責任)である。平日の19時からの総会では出席できない人も多いと思われる。また、犯人が分かった推理小説のようで興味が半減して出席者が少ないことも予想される。

 しかし、仕事の都合で出席できない人は委任状に賛否を記載して、他の株主に託していただきたい。また、出席できる人は歴史の証人として賛否を投じていただきたいと思っている。これが我々株主の最後の仕事である。

 また、これにより、サガン鳥栖の経営を引き継ぐ株式会社サガンドリームスには、チーム運営の理念や方針を速やかに明らかにしていただきたいと思っている。地域の人々やサポーターに対するメッセージをお願いしたい。

 行政、地元企業、地域の人々には、社会福祉、社会教育、家庭団らん、町おこし、学校教育、福利厚生、宣伝広告とあらゆる方面からチームを活用する方法を提案をしていただきたいと思っている。チームは地域とともに育つのであり、地域はチームにより元気が出てくる(活性化する)と信じている。


 経営規模 17.1.8

 1月8日の報知新聞HPに「浦和売り上げ54億円で世界クラブ50傑入」と掲載されていた。サガン鳥栖の売上高が3億3千万と発表された直後であり、同じJリーグのチームとしてうらやましい限りである。

 確かに、あの観客動員と迫力ある応援に加え、親会社の支援という力強い味方がいる環境は、クラブチームの枠を超えたものではあるが、「3月末で親会社との損失補てん契約を解除し、文字通りの独立を果たすレッズが、拡大を続ける。」とHPは締められている。

 日本のスポーツは、まだプロ野球をはじめ、各種スポーツが企業スポーツの枠を超えられないでいる中で企業としてスポーツが独立運営されることは、他のスポーツの模範となるのではないだろうか。

 ただ、新生サガン鳥栖が浦和レッズのやり方を真似をしようとしても環境が異なることから直ぐにできるものではないことは明らかであるが、その精神は大いに参考になると思われる。

 新生サガン鳥栖は、地域の自治体、企業、市民の支援の下に、さらに、多くのサポーターの支持の下に、チームの強化を図るとともに、下部組織の育成と地域社会への貢献を目指すべきである。浦和レッズの数倍の年数は必要かもしれないが、できないことはないと思っている。

 新生サガン鳥栖の経営規模(当面の目標)は、今季の売上高3億3千万円が目標となるかもしれないが、浦和レッズの1割、5億4千万円(推計:試合平均6,000人×単価1,100円×22試合で1億45百万円、広告収入が入場料収入と同額で1億45百万円、分配金1億5千万円、その他6千万円)を目標にしてもらいたい。


 観客動員 17.1.11

 同じ資料であるが、1月8日の報知新聞HPに浦和の入場料収入が「03年度の16億円から4億円増の20億円にアップ」と紹介されていた。入場者数が気になったので調べて見ると03年度平均が28,855人、04年度平均が36,660人であった。

 さらに、気になったのでJ2リーグの平均入場者数を調べると、次の表ののとおりであった。(1999年、2001年、2004年のデターがある6チームを抽出)

チーム名 1999年度 2001年度 2004年度
平均入場者数 割合 平均入場者数 割合 平均入場者数 割合
仙台 7,470人 100.0% 14,011人 187.5% 16,198人 216.8%
山形 2,980人 100.0% 4,391人 147.3% 6,420人 215.4%
大宮 2,674人 100.0% 3,864人 144.5% 6,108人 228.4%
川崎F 5,396人 100.0% 3,784人 70.0% 9,148人 169.5%
甲府 1,469人 100.0% 3,130人 213.0% 6,370人 433.6%
鳥栖 3,385人 100.0% 3,479人 102.7% 3,610人 106.6%

 成績に左右されていると思われる川崎Fと甲府を除いた他のチームがJ2リーグ発足時の2倍の観客動員になっている中、サガン鳥栖は若干の増に留まっている。他のチームにはワールドカップ効果があったとの反論があるかもしれないが、2001年度においても同様な結果が現れている。

 結論的には、他のチームが行っている各種のファンサービスや観客動員のための営業ができていなかったことに尽きるのではないか。そこで、これらのファンサービスや営業がどの程度の陣容で可能なのか検証する必要があると思っている。

 費用対効果の問題であるが、これまでのサガン鳥栖は縮小均衡を求めていたと思われるが、新生サガン鳥栖には拡大均衡を目指していただきたいと思っている。


 チーム始動 17.1.16

 1月15日、鳥栖スタジアムで新生サガン鳥栖が始動した。「詰めかけたファン・サポーター300人の前で『新生サガン』をアピール」と各新聞で報道されている。残念ながら鳥栖スタジアムで共に感動を味わうことはできなかったが、紙面から感じることができた。

 例年であれば、監督、新加入選手の記者会見が行われる日でもあるが、運営会社の営業譲渡問題が未解決のため、正式発表は1月21日になるようである。新聞報道によると、1月28日から10日間長崎県島原市でゲーム中心の1次キャンプ、2月16日から鹿児島県宮之城町で2次キャンプを行うようである。

 今季のメンバーを見て感じることは、選手が大型化したこと(180cm以上6人→11人)、九州出身が増えたこと(7人→9人)、若い選手が増えたこと(21歳以下3人→7人)ではないだろうか。

 選手の大型化は必要なことだと感じていたが、これまでのサガン鳥栖は人脈、資金力とも不足していたため、他のチームの後塵を拝していた。後は持久力と機敏性を持ち併せているかが問題である。

 ユースチームでの青少年の指導とともに、トップチームにおける若手育成を一つの柱とすることによって、サガン鳥栖を若手選手の登竜門にしていただきたいと思っている者にとっては、九州出身者や若手選手が増えたことは朗報である。

 理想は、2名(ユースチーム1名、地元高校1名)を毎年選抜し、3年間指導して欲しいと思っている。常時6名〜7名程度の若手選手を育成する体制を整えることは、青少年の目標となり、地域のサッカー振興にも役立つのではないだろうか。

 若手選手が3年後にJ1チームに移籍するのか、J2チームに移籍するのか、サガン鳥栖で活躍するのか、新たな人生を考えるか、その選択は自己責任であるが、選択できる選手を育てることはJリーグチームの役目ではないだろうか。

 1月17日(月)の臨時株主総会が無事終わり、1月21日の発表を心から喜び、3月5日からのリーグ戦でファン・サポーターと感動を共有できることを祈念している。


 聖火リレー 17.1.18

 1月17日は、株式会社サガン鳥栖の解散とサガン鳥栖(チーム)の継続が決まった日である。Jリーグ理事会の承認が必要ではあるが峠は越えたのではないだろうか。新たな山が眼前にそびえてはいるが、挑戦できる喜びをサポーターとともに感じている。

 臨時株主総会終了後、会社が解散し、出資金が零ではないが大幅に減額されることを喜んでいる株主の姿を見て複雑な心境であった。株主にとって株主会社サガン鳥栖に出資したのも、今回の営業権譲渡に賛成したのも全てチーム存続のためである。

 鳥栖市をホームタウンとするプロサッカーチームは、PJM(鳥栖)フユーチャーズからサガン鳥栖へ代わり、その運営会社も株式会社佐賀スポーツクラブから株式会社サガン鳥栖、そして株式会社サガンドリームズへと代わることになった。

 そう考えると、株式会社サガン鳥栖は、株式会社佐賀スポーツクラブから引き継いだプロサッカーチームの聖火を株式会社サガンドリームズへと引き継いだのであり、我々株主はその伴走者として、その歴史に立ち会ったことになる。

 ただ、伴走者が169人(社)と多く、まとまりに欠けた面は否定できないが、与えられた条件に挑戦したことを否定する人はいないと思う。また、今回の解散に至った責任は一次的には現経営陣にあると思っているが、そのような経営陣を選んだ株主の責任も否定できないであろう。

 株式会社サガンドリームズにとっては これまでの運営会社の経験と反省を踏まえ、チームを強化し、地域の人々に夢を与え、さらに、地域の活性化に寄与することにより、経営基盤を確立することが当面の課題だと思っている。


 事務所とサロン 17.1.20

 1月18日、17日の株主会社サガン鳥栖の臨時株主総会で営業権譲渡が承認されたことを受けて、株主会社サガンドーリムズ井川社長の記者会見が行われた。1月19日の日刊スポーツHPに「自治体と一体となったチームづくりの手始めとして、新事務所を初めて鳥栖スタジアム内に置くことが決まった。」と掲載されている。

 これからは鳥栖市や鳥栖スタジアム(財団法人鳥栖市地域振興財団)との連携が重要だと思われるので大いに歓迎したいと思っている。

 サガン鳥栖は、8年間に5回(正確には6回)事務所を移転している。クラブ創設時(平成9年)の事務所は佐賀市にあったが、法人化(平成10年)に伴い鳥栖市宿町に、平成13年に鳥栖市本町(サテライトショップの2階)に移転、その後サテライトショップに同居、さらに、元スーパーの店舗に移転後、現在の鳥栖市養父町の事務所に移転している。

 サポーターとしては、事務所がどこにあるかは問題ではないが、3年前に廃止されてしまった佐賀市松原町の「サガン鳥栖佐賀連絡事務所」や鳥栖市本町の「サガン鳥栖サテライトショップ」のようなサポーターが集まる場所が欲しいと思っている。

 その場所で、サッカー談議をしたり、試合のビデオを見たり、グッズ、チケット、クラブサガン(年間シート)、totoを購入したりしてサッカーを感じることができれば幸せである。また、ボランティア活動の拠点としても活用できるのではないだろうか。

 直ぐには難しいと思うが、新たなファンやサポーターを獲得するためにも必要なことだと考えている。空き店舗を利用し、近所の人に管理を委託するなど経費をかけない方法があるのではないだろうか。 


 夢づくり 17.1.22

 1月21日、サガン鳥栖の選手やスタッフが佐賀市の佐嘉神社に4年ぶりに必勝祈願を行ったと報道されている。この3年間が何だったのかあらためて考えてしまった。経費節減や信条の問題もあったかもしれないが、やはり、チーム始動時に必勝を誓うことは必要であろう。

 佐賀新聞(1/16)に1月15日の新生サガン始動の際に「松本育夫監督が『チームのコンセプトは"夢づくり"。J1昇格という夢に向かい、いい成績を残すことができるよう(チーム全員が)切磋琢磨していきたい』とあいさつした。」と報道されている。

 株式会社サガンドリームズの会社名からしても、この「夢づくり」が会社の理念になるのではないだろうか。1987年静岡県浜松市に2002年のワールドカップに選手を送り出すことを目指して結成されたPJM(鳥栖)フユーチャーズの理念は「夢は必ず実現します」であった。

 また、5万人のチーム存続の願いから1997年に結成されたサガン鳥栖の理念は「人づくり・まちづくり・夢づくり」であった。したがって、新生サガン鳥栖の理念が「夢づくり」となることは必然かもしれない。

 「J1昇格」がファン・サポーター・関係者の大きな夢であることは間違いないが、それだけが夢ではないと思っている。

 地域に支えられるチーム、地域に貢献するチームになることもチームの夢(目的)ではないだろうか。また、Jリーグを目指す青少年や仲間と楽しくサッカーをする人々の夢も叶える必要があると思う。

 自治体や地域の人々は、サッカー(チーム)により佐賀県や鳥栖市を中心とする地域が活性化することを期待しているのではないだろうか。

 これらの夢を実現するためのスキームを提供することが「夢づくり」ではないかと思っている。これは株式会社サガンドリームズだけでできるものではなく、自治体や企業、地域の人々の賛同と協力が必要であろう。そうなることを希望したい。


 久光製薬 17.1.23

 1年ぶりに佐賀市の県総合体育館で久光製薬スプリングス(Vリーグ4位)の試合を観戦した。対戦相手はシーガルズ(Vリーグ5位)であったが、0−3のストレート負けであった。結果ほどの実力の差はなかったが、相手が試合巧者だと感じられた。

 シーガルスは、レシーブが安定しており、攻撃も力任せではなく、選手の間を狙ったスパイクが決まっていた。スプリングスは守備で選手が顔を見合わせるシーンが多かった。これは効果的なブロックができていないためではないだろうか。

 佐賀新聞(1/23)によると、今日(23日)の対戦相手であるパイオニアの監督が「今日の試合を参考にしたい」とコメントしているようである。スプリングスも修正して試合に臨んでいただきたい。

 ところで、久光製薬株式会社は、サガン鳥栖の関係者やサポーターの期待が大きいため協力を得られていないと勘違いしている人もいるが、チーム創設時から鳥栖スタジアムに残る常設看板スポンサーの数少ない1社である。

 確かに、節目節目において、地元大手企業である久光製薬株式会社に対するサガン鳥栖への出資やユニホームスポンサーの期待が大きかったことは事実であるが、市民球団を目指していたサガン鳥栖にとって、久光製薬株式会社を親会社にすることは避けるべきであると思っていた。

 今回、株式会社サガン鳥栖から営業権譲渡された株式会社サガンドリームズは、個人出資のため、親会社が経営に責任を持つ体制にはなっていない。ただ、株主がファン・サポーターから会社経営経験者に変わっただけであり、今後とも市民球団を目指していただきたいと思っている。

 サガン鳥栖が市民球団として佐賀県や鳥栖市の支援を受けながら運営が安定し、佐賀県や鳥栖市を中心とした地域で盛り上れば、久光製薬株式会社をはじめとする地元大手企業からも応援していただけると思っている。


 サガンドリームス始動 17.1.29

 1月28日、Jリーグから今季の日程も発表になり、サポーターもリーグ戦モードになってきた。また、新加入選手は記者会見で抱負を述べるとともに、チームは島原キャンプのため島原市へ移動した。

 一方、株式会社サガン鳥栖から営業権を譲り受けた株式会社サガンドリームスは、すでに1月21日の必勝祈願からし始動しているが、1月25日のJリーグ理事会の承認を得て、本格的に始動したようである。

 佐賀新聞(1/29)に「29日午後4時から佐賀市のマリトピアで記者会見し、井川幸広社長が事業計画を発表する。同6時からは古川康知事や市町村長、Jリーグの鈴木昌チェマン、経済界関係者ら400人を招いた懇談会を開く。」

 さらに、「30日は午前11時から鳥栖スタジアムで井川社長とサポーターとの懇親会を開き、経営方針などを説明する。入場無料」と報道されている。28日に行われた記者会見で、松本育夫監督から新生サガンの目標を「25勝、勝点75」と発表されているようである。

 個人的には、今季は15勝10分けで勝点55が目標だと思っている。昨季の個人的目標は11勝11分けで勝点44であったが、結果は8勝11分け勝点35であった。松本監督が指揮官として高い目標を掲げることは理解できるが、他のチームも強化されていることを忘れてはいけないと思っている。

 佐賀新聞(1/29)には、「論説」と「ひと」の欄にもサガン鳥栖が取り上げられている。過去にも「論説」で取り上げられたことはあるが、今回ほど「私たちが育てていこう」という意思が伝わる論説は初めてである。過去の事情も踏まえた上での主張であり、元株主としても、サポーターとしても大賛成である。

 冒頭の囲み記事を紹介すると

 「サガンドリームス」がJ2サガン鳥栖の経営に乗り出す。新経営陣、クラブへの期待はいっぱいあるが、「地域とともに」のJリーグ理念に沿って、私たちにもできることを考えたい。それは地域づくりに通じる。スタジアムに出かけ、私たちも育てていこう。

 詳しくは、佐賀新聞(1/29)の二面右上をご覧いただきたい。また、「ひと」欄(三面中段下)には、井川幸広社長が紹介されている。


 経営方針 17.1.30

 選手紹介のビデオ放映から始まった株式会社サガンドリームスの経営方針発表とサポーターとの懇親会に出席した。立ち見ができるほどの出席者にビックリした。

 ところで、パワーポイントを駆使して約1時間の説明を行った井川社長に感謝したい。本来ならサポーターに説明すべき内容ではないかもしれないが、オンリーワンを目指すチームにとっては必要不可欠なことだと思っている。いわゆる目標(目的)の共有化である。ビッククラブと対等に闘うためには最低限の体制強化とサポーターや地域の人々のチームを応援(支援)する気持ちが一体となる必要がある。

 経営理念として「人づくり」「町づくり」「夢づくり」を継承するとのことであり、地域にとって、また、サポーターにとって最高のプレゼントだと思っている。この理念を実現するためには、チームの勝利と運営会社の収支のバランスが最も重要であるとの井川社長の認識に大いに賛成したい。

 経営規模についての説明があったが、今季3億5千万、来季5億円、次が6億5千万円、10年後に15億円との目標に、チームとともに闘う意思が感じられた。今までは守りの経営であったが、今後は攻撃の経営が待っているようである。

 しかし、攻撃的経営は、守りよりも難しい選択だと思っている。他に原因があるとは言え、守りの経営が破綻したのであるから、攻撃しかないのも事実である。そのためには、クラブ創設時を思い出し心を新たにする必要があると思っている。

 説明の最後に1997年2月に中村元代表(当時佐賀県サッカー協会会長)とともにチームを創設し、1999年の1月7日に他界された当時の佐賀県サッカー協会の理事長(佐賀大学教授)であった坂田先生の命日である1月7日(17番)を永久欠番にしたいとの井川社長の発言に、その場にいた200名以上のサポーターが拍手で賛同した。

 1997年の春から夏に佐賀市にあった当時のサガン鳥栖の事務所で他の関係者とともに坂田先生と何度となく議論させていただいたことを思い出し、改めて冥福をお祈りするとともに、感謝の気持ちを新たにした。

 新生サガン鳥栖のHPが2月1日に開設され、3月から本格的に運用されるとのことである。今日説明があった経営方針の細部も掲示されると思われるので、掲示されてからコメントしたい。


 クラブサガン(年間シート)会員  17.2.4

 チーム創設時においては「クラブを支える。」とのコンセプトの下に会員募集が行われていた「クラブサガン」であるが、1998年に株式会社サガン鳥栖が設立されるとともに、年間シート(商品)としての位置づけが高くなっていた。3年前からチケットの切離しが認められるようになったことから、チームの収益力(平均客単価)が低下していたと想像される。

 新生サガン鳥栖から今季のチケット料金が発表されるとともに、年間シートの予約が開始された。

 改善された第一点は、プレミア席を指定席としたことである。井川社長の事業計画では2年後の観客が平均12,000人となっており、プレミア等の座席指定は避けられないと思っていた。

 座席指定の場合、指定方法を明らかにして年2回程度変更することも検討していただきたいと思っている。J1のチームは座席指定を行っており、参考事例は多いと思われる。

 第二点は、「年間チケット」としての位置づけを確立するために試合日を指定されたと想像している。ファン・サポーターから不満がでるのは当然であるが、その対策として、プレミア席に小中高生のクラスを設けるとともに、一般席(大人)の販売価格を引き下げたことは正解ではないだろうか。

 これ以外に、レギュラーとサポーターズの回数券(5枚券)を販売するとともに、スポンサーシート(座席指定)を設けている。年間22試合のうち15試合又は16試合以上観戦する人は「回数券」より「年間シート」がお得である。

 現在のところ、平均的には半分程度(11試合)を観戦している人が多いと思われるので、回数券単価が全体の平均単価になると思われる。この結果、1人当たりの負担が増えるのかどうかであるが、昨季のレギュラー(年間シート)の平均価格1,136円が今季の回数券単価1,500円にスライドすると思われるので、ファン・サポーターの負担は増えると想像される。

 しかし、新生サガン鳥栖にとっては、観客動員やスポンサー獲得とともに、平均単価の増は収入増の大きな柱だと思われる。それにふさわしい試合を応援することができれば、ファン・サポーターも納得するのではないだろうか。

 過去のクラブサガン(年間シート)の価格などを次表にまとめてみた。 

区 分

リーグ

試合数

プレミア レギュラー サポーターズ

会員カード

会報発行

サポーターとの集い

サポーターブック オリジナルグッズ

入場方法等

一般 小中高 一般 高校生 小中 一般 小中高
1997年 JFL 15+3 35,000 24,000 12,000 9,000 発行 招待

チケット(?)

1998年 JFL 15 30,000 20,000 12,000 8,000 発行 4回 招待

チケット(?)

1999年 J2 18+4 30,000 20,000 12,000 6,000 発行 5回 招待 進呈

カード(パンチ方式)

2000年 J2 22+2 33,000 22,000 7,000 発行 4回 招待 進呈

カード(パンチ方式)

2001年 J2 22 36,000 25,000 8,000 15,000 5,000 発行 4回 招待 進呈

進呈

チケット(切離し不可))

2002年 J2 22 36,000 25,000 8,000 15,000 5,000 発行 3回 進呈

進呈

チケット(切離し可)
2003年 J2

22

36,000 25,000 8,000 15,000 5,000 発行 2回

進呈

チケット(切離し可)
2004年 J2

22

36,000 25,000 8,000 15,000 5,000 発行 チケット(切離し可)
2005年 J2 22 30,000(座席指定) 15,000(座席指定) 22,000 8,000 11,000 5,000

不明

不明

不明 不明 進呈

チケット(試合指定)


 理想と現実 17.2.6

 私の誕生日である今日は忙しい1日であった。お祝いをしてもらう年でもないが、誕生日をだしにケーキを買ったり、プレゼントをもらったり、酒のつまみがちょっと良くなった程度で幸せを感じている。

 ところで、佐賀新聞は、2月5日一面広告「夢激闘」に続き、2月6日の16面と17面の中央部分を使って島原キャンプを紹介している。佐賀新聞をはじめとするマスコミの関心が高まっていることを感じながら、まだ、一抹の不安を隠せないもう一人の自分がいる。

 それは、理想と現実の間にある諸問題を解決するには時間がないということである。1月30日のサポーターとの懇親会において夢を語る井川社長は頼もしくもあり、サガン鳥栖の将来が明るいと期待させるものであった。

 私は、それは組織のトップとして必要なことと思っているが、あまりにも性急に変革を求めると、その夢さえも危うくなる可能性があると感じている。したがって、初年度は理想のこの段階まで、来季はここまでとの判断が必要になってくるだろう。

 私は、サガン鳥栖が目指すものはスポーツ(サッカー)文化の醸成だと思っている。新生サガン鳥栖が引き継いだ基本理念「人づくり」「まちづくり」「夢づくり」はその精神を具体的に表現したものである。

 さらに、その実現方法は、その時の社会情勢や経済情勢により異なるのが自然である。今季は理想を描きながら必要でないものと、必要なものと、臨時的なものに峻別する時ではないだろうか。

 サガン鳥栖は8年間苦しんできたのであり、それを1年で解決することには無理があると感じているのは私だけではないと思う

 しかし、ファン・サポーターは勝ったら勝ったで、さらに上を目指すべきだと主張するであろうし、観客が増えたら増えたで公平でないとの論議する人がいるのが普通である。私もその一人であるが自戒したい。


 アシストクラブ 17.2.18

 サガン鳥栖のHPで「2005年サガン鳥栖『アシストクラブ』スタッフ募集!」のリリースを見たときはドッキとした。ハンドネームであるがAsist(アシスト)と名乗って6年目を迎える立場として、どのような趣旨でスタッフを集めるのか興味があった。

 そこで2月18日に開催された「サガン鳥栖『アシストクラブ』説明会」に出席したところ、「サガン鳥栖を様々な形でアシストし、正にサガン鳥栖の一員として活動する団体です。」との説明があった。

 その組織は、参加する人々により形成されるとのことで、@業務中はサガン鳥栖の一員として誠意ある対応をお願いします、A参加・不参加の連絡は3日前までにお願いしますとの運営ルール(会社のお願い)が発表された。

 さらに、協力内容として@試合当日の運営補助(チケットチェック、観客誘導、来賓受付など)、A事務所内作業(電話応対、郵送物封入、入力等PC操作など)、Bイベント運営(招待業務、参加者管理など)、Cその他(各種任意の活動)が説明された。

 チームのために、できることをできる範囲で協力するという趣旨に大いに賛同したい。心配なのはチームが2年間ボランティアを採用しなかったことから、経験者がどれだけ集まるかということである。

 また、アシストクラブへの参加をサポーターのみに求めることは、過去の経験からも難しいと感じている。スポーツボランティアとして、社会奉仕として、社会参加として一般市民や学生、そして社会人(企業戦士)が参加するスキームを設ける必要があるのではないだろうか。

 スポーツ(サッカー)の興行として考えるのではなく、地域のお祭りとして考えれば、新たな参加者も増えると思われる。


 テストマッチ 17.2.28

 2月28日、アビスパ戦のチケットとともに、年間シートやグッズの引換券が郵送されてきた。新しい年の幕開けである。株式会社サガン鳥栖から2月1日に事業を継承した株式会社サガンドリームスにとって、3月5日の開幕戦は時間的にも余裕がなく大変な日々だと推察している。

 その中で、開幕戦を盛り上げるためのイベントや鳥栖スタジアムまでのバス運行、JR九州の臨時電車運行など、これまでにない対応ができていることは嬉しいことである。これは、株式会社サガンドリームスだけでなく、佐賀県や鳥栖市、そして佐賀県プロサッカー振興協議会など関係者の力によるものと思っている。

 これだけの盛り上がりを継続するためには、開幕戦で是非とも勝利をプレゼントして欲しいと願っているが、テストマッチの結果から見ると安心できないようである。対戦相手に恵まれなかったこともあり、実力を判断するには実戦不足の感もあると思っている。

 松本監督が指摘するように良い人材が集まったようである。攻撃面では、中盤でボールをキープすることによって守備ラインを上げられるのか、ポストプレーにより中盤が攻撃参加できるのか、相手守備の裏を意識した攻撃ができるのか、サイド攻撃ができるのか、カウンター攻撃は可能なのか。

 守備面では、セットプレイでの高さの不安が解消されたのか、マンツーマンからゾーンディフェンスへの切り替えができたのかなど、テストマッチで確認すべきことが多かったが、本番で確認するしかないようである。

 会場運営面では、開幕戦では鳥栖市民が無料招待されており、アビスパ福岡戦ということもあり福岡県からの観客も見込まれることから、相当の観客数になると想像される。

 したがって、3月5日のアビスパ戦は、株式会社サガンドリームスにとっても、佐賀県や鳥栖市、そして佐賀県プロサッカー振興協議会にとっても、さらに、松本監督や選手にとっても大切な試合である。

 しかし、サガン鳥栖にとって、44試合の中での1試合でもあることから、この1年間のためにアビスパ戦を分析し、残り43試合、ホーム21試合のためのデータを集積することが最も大切なことだと思っている。


 開幕戦 17.3.3

 株式会社サガンドリームスにとっては、3月5日の開幕戦は盆と正月が一緒に来る忙しさであろう。3月3日の佐賀新聞には「サガン開幕戦1万人確実」との見出しでチームの集客作戦が紹介されている。

 開幕戦の対戦相手がアビスパ福岡になったのは、Jリーグからの祝儀かもしれないが、運営に慣れたころに対戦して欲しかった。試合結果も大切であるが、今は無事に試合運営ができることを祈念している。

 確かに、スタッフは株主会社サガン鳥栖から引き継いだものの、目標観客に対し、スタッフの絶対数が不足していることは否定できない事実である。佐賀県や鳥栖市、そして佐賀県サッカー協会の協力なくしては開幕戦を迎えられない状況である。

 サガン鳥栖を応援してきた一人として感じることは、開幕戦で得られた多くの支援や協力をいかに継続していくかということである。チームが勝ち進めばさらに盛り上るであろうし、連敗が続くようであれば息切れしてしまうことを心配している。開幕戦で得られた経験を分析し、いかに協力関係を維持発展させるかが課題になってくるであろう。

 そのためには、運営会社の目指すもの(サッカーの普及拡大)や経営理念(オンリーワン)を明らかにし、チーム運営の基本理念(人づくり、まちづくり、夢づくり)を大切にし、チームの成績目標(J1昇格)を設定し、その目標を達成するための戦略を共有し、その目標を実現するための戦術を明確にして、関係者が一致して活動することが求められるのではなかろうか。

 3月3日、株式会社サガンドリームスから株式会社サガン鳥栖の株主に対し、案内文とともに2005年シーズン回数券(前期分5枚)が送付されてきた。ありがたい気遣いである。この感謝の気持ちが全ての株主に伝わることを祈っている。


 サガンドリームス 17.3.6

 3月5日は、寒い1日であったが、試合中は雪も降らず薄日がさす天気で、サガン鳥栖2005年の開幕戦が無事終了した。

 開幕前のセレモニーを見ることはできなかったが、新生サガン(サガンドリームス)の開幕戦として1万3千人を動員できたことは、今後につながる成功ではないだろうか。入場口に行列ができたのは久しぶりで、バルーンの係留はできなかったようであるが、他のイベントは実施された。

 心配していた会場運営は、イベント開催のプロである業者に委託されており、安心して見守ることができた。観客が1万人を超える状況ではプロの仕切りが必要だと感じたが、毎試合1万人の観客を動員することは現状では不可能であり、会場運営の在り方も見直すべき時が来ると思っている。

 九州ダービーに勝利できなかったことは残念であるが、テストマッチの結果から悪い予想をしていた一人としては引き分けを良しとしたい。内容が守って守っての0−0でなく、サガン鳥栖にも、アビスパ福岡にも得点のチャンスがあり、観客としても楽しめたのではないだろうか。

 前半44分の失点、後半20分のDF矢野選手の得点は、多くの観客の心に残った得点だと思う。昨年比べると高さがありハイボールのキープ率が大幅に増加しており、宮原選手のセットプレイに合わせる選手が出てくれば得点力は倍増すると感じている。 

 今季は、選手全員に常に闘う場(J2リーグとサテライトリーグ)が与えれており、昨季のように選手層の薄さが気になるようなことはないと思っている。

 サポーターも監督や選手とともに12番目の選手として闘い、17番目のスタッフとしてサガン鳥栖(サガンドリームス)を支えることが、明日のサガン鳥栖を創ることになると信じている。


 初勝利 17.3.13

 開幕戦は対アビスパ福岡を相手に引き分けに終わったが、第二戦対札幌戦でサガン鳥栖の初勝利である。瞬間風速であるがJリーグ5位である。試合を見ていないので何とも言えないが初勝利に感謝である。

 ところで、初戦について各メディアで報道されたが、毎日新聞にサポーター「りょう」のサガン鳥栖感染記が掲載されている。ホームゲーム後の翌火曜日(佐賀版)掲載とのことで、今日鳥栖市の図書館で見ることができた。

 私はスポーツに県境も市境もないと思っているが、佐賀版にしか掲載されていないということで県境問題を感じてしまった。どのチームを応援するかも個人の自由と思いながら、佐賀県や鳥栖市がサガン鳥栖を応援するのが当然と主張する自分がいる。

 矛盾する主張かもしれないが、どのチームを応援するかは各人で異なるのは当然であり、マスメディアも同様である。ただ、ホームタウンである鳥栖市が支援するのは当然だと思っている。佐賀県が全面的に支援していただいていることについては感謝感激である。

 監督、選手の頑張りにより勝点を積み重ねていくことは当然であるが、今は地元企業や市民、そしてサポーターにサガン鳥栖に対する応援・支援・協力の輪が求められているのではないだろうか。


 高校生選抜 17.3.16

 前回の「雑感」は意味不明の文章となっており、このHPをご覧いただいている皆様にお詫びを申し上げたい。

 開幕戦の1万3千人の観客、サポーターによるコラム(毎日新聞)の新設、さらに、チームは今季負けなしと手放しで喜びたいところであるが、佐賀県の盛り上がりに比べ、福岡県筑後地区の盛り上がりに欠けることが気になっている。

 福岡県筑後地区は、アビスパ福岡を応援している人々が多いと思われるが、サガン鳥栖を応援している人々も多いのではないだろうか。

 サガン鳥栖としては、佐賀県を盛り上げるだけでなく、福岡県筑後地区や他の地区の人々にも応援してもらうための企画が必要ではないだろうかとの思い、さらに、町内の祝酒とサガン鳥栖の初勝利が迷文を作った原因である。

 ところで、3月16日の佐賀新聞に「中林高校選抜に」との見出しで、新入団の高林選手(市立船橋高校卒)がドイツで開催される国際ユースサッカーに参加することが報道されている。

 今季のサガン鳥栖には将来が楽しみな若い選手が多い。これらの選手に実戦の場を提供し、チームがJ1に羽ばたくために必要な人材として大切に育てることがJ1昇格の近道ではないだろうか。


 リーグ戦負けなし 17.3.21

 「サガン鳥栖はリーグ戦負けなしである。」このフレームをリーグ戦半ばで言えると相当の成績になっているであろうが、まだ、第3節である。現在のJ2リーグ6位は、よくやっていると評価すべきであろう。

 ところで、3月19日の横浜FC戦は、勝てたかもしれない試合を引き分けたと評価される試合だったと思っている。確かに相手の特徴を消し、チームの勝点を一つでもアップすることはチーム戦術として必要なことであはあるが、初めて応戦する観客やいつも応援しているファン・サポーターにとっては、最後の15分間を除くと楽しめない試合内容だった。

 ただ、試合開始前やハーフタイムのイベントはここ数年見られない光景であり、メンバーズクラブ・コミュニケーションサイトの運用など、サガン鳥栖が変わったとのメッセージが発信されている。さらに、試合告知のテレビコマーシャルが放映されたとのことであり、新運営会社である潟Tガンドリームスの姿勢が示されている。

 また、3月20日の佐賀新聞には、サガン鳥栖スタッフが大きく取り上げられており、地元マスコミの支援体制も本物のようである。観客動員については、開幕戦13,000人は想定の範囲だと思っているが、3月19日(第3節)の6,300人には改善の余地がありそうである。

 話は変わるが、旧運営会社である潟Tガン鳥栖の第7回定時総会の案内と平成17年2月28日現在の財産目録が送付されてきた。100%減資、99%減資と騒いだ割には、正味財産が出資金の46%と多かった。

 内訳は、営業譲渡価額とJリーグ分配金(未収金)を合計した金額相当が残った感じである。前経営陣が最後まで頑張った成果と評価する人もいるかもしれないが、旧株主に分配する資金は、株式会社サガンドリームスが負担した金額と運営会社が受け取るべき金額であり、手放しでは喜べない。

 株式会社サガン鳥栖が増資したのであれば、その資金は運営会社の運転資金になるべきものであるが、営業権譲渡を選択した株式会社サガンドリームスにとっては、資本金の3分の1が減額されたのと同じ状態である。

 このことを旧株主も地元企業も理解し、何らかの協力をすべきであると考えている。


 インタビュー 17.3.27

 サガン鳥栖は、リーグ戦4試合を闘って1勝3引き分け、勝点6点、6位である。徳島まで応援に行かれたサポーターの皆様お疲れ様でした。前にも紹介したことがあるが、天皇杯のガンバ大阪戦で2点リードし、相手が10人になっていたにもかかわらず、逆転されたことを思い出した。

 リードしていた時のワクワク感と逆転された時の挫折感は、その場にいた人しか味わえない貴重な体験だと思っている。徳島に行かれた皆さんは得点シーンを2回も見れた幸せ者とも言えるのではないだろうか。勝っても負けても1回以上得点シーンを見ることができれば幸せである。

 3月27日7時35分から20分間、NHKラジオ「九州沖縄日曜訪問」で株式会社サガンドリームス井川社長のインタビューが放送された。

 井川社長はいくつかの転機を経て今日があることを語るととともに、サガン鳥栖の経営を引き受けた理由として、佐賀県からプロサッカーチームをなくしてはいけないとの使命感から引き受けた。また、サガン鳥栖の未来をイメージできたことも経営を引き受けた理由と説明されていた。これはチームのコンセプトとして発表された「夢づくり」となったのではないだろうか。

 サガン鳥栖については、愛され、誇りと言われるチームにしたい。そのためには勝つことであり、日本一になることが大きな夢である。プロセスを大事にするとともに夢を実現させたい。さらに、選手から将来を託されるチームとして、引退後のプランも用意したいと語っていた。

 また、サッカーの意外性とサッカーの楽しみ方の多様性について言及し、色んなアイデアで新たなサービスを展開したいとの抱負を語っていた。愛される人間性と企業(起業)家としての厳しい面が感じられたインタビューであった。


 第7回定時株主総会 17.4.1

 3月31日、株式会社サガン鳥栖の第7回株主総会が鳥栖市商工センターの大会議室で開催された。4月1日の佐賀新聞に「解散時の剰余金5,680万円」と紹介されている。

 株主総会は、株式個数2,460個(資本金1億2,300万円)のうち1240個(64人)の出席(委任状を含む。)により、取締役(清算人)から提出された議案が承認された。佐賀新聞にあるように清算人は、「なるべく多くの額を株主の方々に配当できるよう、しっかりと清算業務に当たりたい」と述べていたが、複雑な気持ちで聞いていた。

 それは、前にも述べたように解散時の剰余金5,680万円は、結果的には新運営会社である株式会社サガンドリームスの負担と同じことだと思っているからであり、また、剰余金の不確定要素として@元取締役の東京出張経費を立て替えた金額を請求していない、A具体的な内容説明はなかったが、株主総会で否決された取締役推薦に関する要求がある旨説明があったことである。

 @については、当時の関係者の証言と帳簿書類を確認すれば判断に困ることはないと思うが、Aについては、会社に対する要求なのか、推薦者たる当時の取締役に対する要求なのか明確ではないと思われる。

 官報による告示のため、早くとも株主総会は6月開催となるが、これらの処理については、株主総会での承認が必要となるであろう。J2サガン鳥栖の運営と関係なくなったとはいえ、新運営会社である株式会社サガンドリームスにとっても株式会社サガン鳥栖の解散がスムーズに終了することがベターである。

 しかし、まだ予断を許さないようである。

 明日は、4勝無敗の京都が相手である。少なくともサガン鳥栖の無敗記録を延ばすとともに、ゴールシーンをファン・サポーターに見せて欲しいと願っている。


 アシストクラブ(2) 17.4.3

 4月2日、リーグトップを走る京都の対決であったが、株式会社サガンドリームスが募集している「アシストクラブ」のスタッフとして参加したため、試合の方は横目で見る程度であった。

 仕事の内容としては、他のメンバーとともに開門前にゴミ袋を所定の場所に設置し、開門後は「福岡県西部沖地震の義援金」募集の手伝いをし、試合終了後ゴミ袋の撤収を行った。また、正面玄関の受付、メンバーズカードブース、グッズの引換所、チームフラッグの掲揚等の仕事もあり、人手は足りないようである。

 私は、アシストクラブに月1回程度参加したいと思っている。試合会場で配付されている「SAGAN PRESS」にもスタッフ募集の広告が出されており、多くの人々に参加していただきたいと思っている。

 試合の方は徳島戦を再現をしてしまったようであるが、鳥栖スタジアムに集まった6千7百人のファン・サポーターは、貴重な得点シーンを2回も見ることができ、さらに、逆転の歓喜と再逆転の挫折を味わうことができたのではないだろうか。

 鳥栖スタジアムは、2階席より3階席が多いように見える程、招待客が多かった。佐賀県プロサッカー振興協議会が中心になって、佐賀市や佐賀郡の皆さんを招待した効果であるが、この試合を見て、また鳥栖スタジアムに来て応援しようと思った人が増えたのではないだろうか。

 佐賀県プロサッカー振興協議会等の協力による無料招待で観客を動員するとともに、サッカーだけでなくイベントも楽しめる環境を提供し、JR九州等の協力により鳥栖スタジアムまでの交通手段の確保し、リピーターを増やそうというチーム戦略が感じられたホームゲームであった。

 自宅に帰ってチームのHPを見ると、4月1日付で杉山栄敏(すぎやま ひでとし)氏(50歳)が株式会社サガンドリームスの執行役員に就任したことと、チームとフロントが相談し、新たな戦力の獲得を視野に入れた対策を検討して行くと報告されている。

 井川社長(非常勤)の陣頭指揮の下でホームゲーム3試合が終了したが、このまま続けることは難しいと危惧していたところ、常勤の執行役員が選任されたとのことで喜んでいる。

 また、新たな戦力を獲得するとのことであるが、急ぐ必要はないと思っている。効果的なのは外国人の獲得であろうが、獲得する選手によってはチーム戦術を変更する必要がある。チーム戦術を補強するための選手獲得なのか、高い個人能力を有する選手を獲得するのか方針を決定してから人選をして欲しいと思っている。


 サガンユース 17.4.10

 4月9日、対甲府戦において、1対3という思わぬ大敗と選手2名の退場、松本監督の退席という結果を招いてしまったようである。詳しい内容は不明のためコメントできる状態ではないが、次の試合を考えると敗戦よりも退場、退席が痛いと感じてしまった。

 長いリーグ戦では、このようなこともあるが、繰り返してはならないし、選手は不用な反則をすべきではなく、また、カードをもらわないよう心がけるべきであるが、問題点を検討し、対策を講じるは監督・コーチの仕事であり、フロントの役割だと思っている。

 4月2日の京都戦後に新戦力獲得の方針が発表されているが、その前にサガン鳥栖がリードしている場合(相手が攻撃的に来た場合)の対応についてのコンセンサスがあるのかが気になるところである。

 戦い方に問題がないとした場合には、メンバーを入れ替えてみる必要があると思っている。幸いにも次節は、退場者と怪我人のため監督の描くベストメンバーでは闘えない。新たなメンバーで闘うことも試して欲しいと思っている。

 ところで、チームのHPに「サガン鳥栖ユースの概要」が掲載されいる。新生サガン鳥栖の思いが表現されたユースの紹介になっているので一読していただきたい。

 第一に、「サッカーは子供を大人にし、大人を紳士にする」とのスローガンが掲げられ、「子ども自身の夢」「自立の第一歩」「学校と生活」「トライ&エラー」「感謝の気持ち」「大切な仲間」とのキーワードについて記載されている。

 第二に、各クラスごとの指導方針が記載されているとともに、指導体制、練習日程、練習時間、会費、用具、申し込み方法が記載されている。

 チームづくりがユースから始まるとの思いが伝わってくる。嬉しかったのは、U-15の指導者として竹元義幸(元サガン選手・コーチ)氏が戻ってきたことであり、あの得点感覚をユース年代に伝授していただきたいと思っている。


 体制強化 17.4.17

 4月17日(日)、対仙台戦を2対0で勝利した。試合を見れないもどかしさはあるがチームの勝利を喜びたい。嬉しかったのは、NHK「速報J2」の試合結果を見て気がついたのであるが、2得点したのは鳥栖だけだったということである。他のチームは全て1点以下であった。

 強力なフォワードがいないことから、得点不足になるのは仕方がないことだと思っている。得点力不足が解消されたわけではないが、他のチームより得点しているということは嬉しいものである。これまでの結果を見ると無得点試合は横浜FC戦のみであり、得点が入るチームになったと評価してもいいのかもしれなない。

 一方、守備の方は、完封した試合は2勝1引き分けであるが、2点以上取られた試合は1引き分け2敗である。失点を1点以内とすることが、守備陣の課題になりそうである。

 ところで、チームは、4月2日(土)の京都戦において「福岡県西方沖地震」の義援金募金活動を行ったが、その義援金(121,178円)に当日の売り上げの一部を加えて、4月7日(木)、井川社長が福岡市災害対策本部に持参されたようである。募金活動に従事(ボランティア)した一人としてすばやい対応に感謝している。

 なお、4月13日(水)の日刊スポーツのHPに地元企業(佐賀テレビ、佐賀新聞など)が株式会社サガンドリームスの増資に応じるとの記事が掲載されている。チームのHPに発表されていないので未確認であるが、すばらしいことである。やっと、鳥栖フユーチャーズの亡霊から開放されたようである。 

 また、4月16日(土)にチームのHPに岸野ヘッドコーチがS級ライセンス(日本サッカー協会)を取得したことが報告されている。チームのコーチとしては初めてのことではないだろうか。キャリアを見ると東京ヴェルディの指導が長いようである。将来は、サガン鳥栖の選手やコーチの経験者が指導ライセンスを取得するようになって欲しいものである。

 さらに、4月17日(日)の佐賀新聞(12面)にサガンドリームス社員の求人広告が載っていた。「経理職員(契約社員で期間半年間、更新あり)」 とのことである。4月1日付で執行役員を決定するなど着々と運営会社の体制も強化されている。

 このように、チーム、運営会社の体制が強化されるとともに、地域企業の支援体制も強化されつつある。後は、運営会社、行政、支援企業、サポーター、ボランティア、地域の商店等との連携をどのように強化し、観客動員を図るかということになるのではないだろうか。

 これらの問題については、お互いの役割を確認しつつ、一歩一歩前進するしかないと思っている。


  「100人の応援メッセージ」と「サガン鳥栖SNS」 17.4.24

 4月23日(土)、対山形戦を応援したが、ゲーム内容はキャンプ時のテストマッチに戻ったような錯覚に陥った。結果論かもしれないが、チームの意図が見えないゲームだった。結果は、零対2の惨敗である。

 負けてもハラハラドキドキの試合であれば、次の試合に勝ってくれるだろうという期待が持てるのであるが、アウエーの2試合(草津、水戸)で2勝は厳しいかもしれない。前半戦は特に寂しい試合内容であった。後半戦は鳥栖が善戦したように思えるが、試合巧者の山形の術中にはまってしまったのではないだろうか。

 ところで、3月27日のNHKラジオの九州沖縄日曜訪問だったと思うが、株式会社サガンドリームスの井川社長がインタビューの中で100人の応援メッセージを佐賀大学の学生にお願いしていると紹介されていたが、チームのHPに「100人の応援メッセージ」コーナーが新設された。3月25日にチームのHPに新設された「サガン鳥栖SNS」とともに、チームHPの目玉企画になっている。

 「サガン鳥栖ファミリーの輪を広げよう!」というスローガンを掲げているAsist(アシスト)にとって嬉しい企画である。

 「100人の応援メッセージ」については、「鳥栖スタジアム」を中心としながらも、各地域の「まつり」や「土曜夜市」に参加する選手やサポーター、サッカー教室に参加している子供たち、応援している商店、サポーターが勤めている事業所など楽しい企画をお願いしたい。

 また、「サガン鳥栖SNS」については、500人以上の人が参加するコミュニティーになっており、色んな楽しみ方があるようである。チームからもサポーターに対するメッセージを発信して欲しいと思っている。

 サポーター同士だけでなく、会社への意見・要望を書き込みすることも可能ではないだろうか。チームにとっても特定の者の意見・要望だけではなく、その意見・要望に対する他のサポーターの意見も参考にすることができるメリットがあるのではないだろうか。

 まだ、まだ、未知な部分が多いが、サポーターとしても、チームとしても有効な使い方を模索していただきたい。


  増資 17.4.29

 サガン鳥栖のHPによると株式会社サガンドリームズが2,300万円の増資を行ったと報告されている。また、増資に応じた地元企業は佐賀新聞、アメックス(佐賀市の水道衛生工事社)、県農協中央会、サガテレビ、佐電工、中野建設、唐津土建工業の7社であり、佐賀新聞によると出資額の半額が資本金となり、半額が資本準備金になるとのことである。

 株式会社サガンドリームスは、当初の計画で地元企業から5千万円の増資を期待していたようであるが、まだ、その時期ではないようである。4月13日の日刊スポーツの記事を見て鳥栖フユーチャーズの亡霊から開放されたと喜んだ一人であるが、喜びも半ばといったところではないだろうか。

 一方、4月3日の京都戦後に発表されていた選手補強は、琉球FCの高地選手の獲得がチームのHPで公表された。今日(4月29日)、鳥栖陸上競技場で行われた練習では宮原選手とともに、フリーキックを任されるなど松本監督の信頼を得ていると思われる。

 今後、補強が行われるか否かは不明であるが、来季に向かっての補強リストを作成することが重要だと思っている。チームとしては現有選手で闘うことが、結果としてチームの結束力を高めるのではないだろうか。

 さらに、4月28日に鳥栖市の商店街において、松本監督や選手有志がチームポスターの掲示依頼を行ったことが佐賀新聞やサガテレビで報道されている。監督、選手と市民との触れ合いの場ができたことは喜ばしいことであり、今後ともその場を設けるべきだと思っている。

 また、チームポスターの縮小版が製作・配付されたことは、ポスターを掲示してもらう商店等に配意した結果だと思っている。5月8日湘南戦ではかなりの観客動員が見込まれるが、問題はその後の試合(ナイター)における観客数である。

 明日(30日)のザスパ草津戦の勝利(勝点3)を期待するとともに、サガン鳥栖ここに在りとのメッセージをサッカーファンだけでなく、全国民にアピールして欲しいと願っている。


 アウエー2連勝 17.5.5

 我らのサガン鳥栖は、草津戦、水戸戦と続いたアウエーを連破した。その結果、J2リーグ第10節を終了して、4勝3敗3引き分け、得点12、失点11、得失点差+1、勝点15の第6位となり、開幕時の予想からは大躍進である。

 2位福岡と勝点差2であることからJ1昇格の2位以内、入れ替え戦出場の3位のチャンスがあるとともに、11位水戸と勝点差5点であることから油断すると逆転される可能性もある。まだ、これからである。

 昨季も第10節終了時で、3勝4敗3引き分け、得点11、失点12、得失点差△1、勝点12の第8位であったが、後半戦で引き分けを挿んで9連敗、8連敗などもあり、最終的には8勝25敗11引き分け、勝点35で11位となっている。

 現在の勝点15の4倍の勝点60を獲得したとすると昨年の第6位に相当するが、今季は、どのチームが上位になってもおかしくない状況であり、勝点は接近するのではないかと予想している。

 今季のサガン鳥栖は昨季のような大崩はしないと思っている。

 理由としては、@運営会社が替わり経営陣が一掃されたことにより、チームとの風通しが良くなったこと、A佐賀県プロサッカー振興協議会やチームスタッフの努力により観客が大幅に増加していること、B今季の補強が若手中心に行われたことから体力的な不安が減少するとともに、控え選手との実力差がなくなってきていること、Cコーチ陣も補強され、対戦相手の情報も活用できるようになったことが挙げられる。

 残念なことは、まだ、ホームでの勝利がないことである。ここ数年のサガン鳥栖はアウエーで勝てなかったが、今季の4勝は全てアウエーである。組み合わせの問題かもしれないが、ホームでは選手たちの肩に力が入っていると思われる。

 5月8日の湘南戦ではリラックスした精神状態で、かつ、集中した状態で試合に入って、得点と勝点をゲットして欲しいと願っている。


 J1昇格対策 17.5.9

 5月8日の湘南戦は、前半23分の相手DF一発退場で10対11の闘いになったが、結果は零対零で引き分けだった。ホーム初勝利を期待して集まった7千7百人の観客もがっかりしていたが、それ以上に監督や選手も残念だったと思う。

 第一クールを4勝4引分け3敗、勝点16、得点12、失点11、得失点差+1、第6位でクリアしたサガン鳥栖であるが、開幕当初は守備を意識すると得点ができない、先取点を取っても逆転されるというケースが続いた。

 ここ数試合で欠点を克服したかに思えたが、相手が10人になった時の闘い方まで、練習できていなかったということかもしれない。さらに、ホームでの闘い方にも課題がありそうである。

 これらの問題を克服するには、次のことをお願いしたいと思っている。

 @ 監督・コーチに対しては、集中力と判断力を高めるための練習(訓練・テスト)を行うとともに、戦術の徹底をお願いしたい。

 A 選手に対しては、技術力を向上させることと、一対一に負けない、90分間走れる体力をお願いしたい。

 B フロントに対しては、試合結果に左右されるのではなく、長期的視野に立った補強をお願いしたい。さらに、新卒であれ、移籍であれ契約した選手には、3年間頑張ってもらい、3年後に力量を判断し、次のステップに進むのか、新たな人生を求めるべきかアドバイスをしていただきたい。

 C サポーターに対しては、監督や選手を信じて引き続き応援していただきたい。さらに、多くの人々がサッカーを楽しむことができる雰囲気を醸成していただきたい。

 これらの対策は、即効性はないかもしれないが、J1昇格するためには必要なことではないだろうか。


 社員募集 17.5.15

 5月14日の京都戦は、勝つとしても零対1での接戦を予想し、悪い場合は逆の結果もあり得ると思っていた者にとっては予想外の大勝利であった。

 第一クールでのチームは、どこからでも得点できる、決定力が高くなったと評価できたが、反面FWの得点がない、シュート数が少ないという欠点の裏返しでもあった。湘南戦では一方的に攻撃していたが、相手選手の退場もあり、守備的になったチームとの闘いであり、評価することはできないと感じていた。

 ところが、京都戦ではシュート数は相手に負けてはいるが13本と2桁であり、得点したのがFWの二人であったことは、チームが成長している証ではないだろうか。これで、松本監督が日ごろから言っているように、サガン鳥栖は若いチームで伸びしろがあり、楽しみなチームであることを全国にアピールできたのではないだろうか。

 しかし、若いチームであるが故の欠点も忘れてはならない。アウエー仙台戦勝利後のホーム山形戦の敗戦を忘れてはならない。自信を持つことは良いことではあるが、過信は避けなければならない。次のホーム仙台戦ではチームとしても、選手個人としても初心に戻って、真摯に、平常心で、積極的に闘って欲しいと願っている。

 ところで、5月15日の佐賀新聞23面に「サガンドリームス 社員募集」の記事が載っている。求人広告ではなく「地域密着球団を推進へ」との記事になっていることがミソである。佐賀新聞社が株式会社サガンドリームスの株主になった効果であろうか。

 現在の社員9人で業務を兼務している人員不足を解消し、サービスの向上を図るための募集(若干名)で、対象は50歳未満の男女。業務は広報、営業のほか、労務管理などを行う総務、集客の分析に当たるマーケティング担当と一般事務とのことである。

 チーム成績も4位に躍進し、平均観客数も大幅に増加しリーグ4位とチーム成績にリンクしている。来年以降もJ2上位を維持し、J1昇格を実現するためには、チームだけでなく、社員の強化も必要であるし、さらに、バックアップする地元自治体や企業の応援強化も必要になってくるのではないだろうか。

 さらに、ボランティアスタッフの強化やさらなる観客数の増加も課題となってくるであろう。


 感謝の気持ち 17.5.22

 5月21日の仙台戦(鳥栖スタジアム)で8,324人の観客とともに、今季ホーム初勝利を味わうことができた。佐賀県プロサッカー振興協議会の協力で多久市、小城市、西松浦ぐんの皆さんや鳥栖市の花祭り参加者が無料招待されていたため、初めて鳥栖スタジアムで観戦した人々も多かったと思われる。

 これらの人々に、サガン鳥栖の闘いがどのように評価されたのか気になるところである。最少得点(1点)であったところから、サッカーは面白くないと思われた人がいるかもしれないが、大半の方は勝利をプレゼントされ、また、応援に来ようと思っていただいたと確信している。

 毎試合、応援している一人としても、多くの得点シーンを見たいとの欲求はあるが、楽しめた試合であった。

 その理由としては、第一に、前節京都戦の勝利(J2リーグ4位)により、ホーム初勝利が期待されたことと、関係者の努力により観客数が大幅に増加したことである。

 第二に、@前座試合やハーフタイムショー、A抽選による豪華商品のプレゼント(抽選券配付)やメンバーズカード参加者へのプレゼント(初戦から連続5回の応援者とこれまで5回の応援者が対象)、B勝利のパフォーマンス(どんぐりかえし)、C小城市の特産発売(羊羹)など、それぞれの場で、それぞれの人々が楽しめたことである。

 新生サガン鳥栖の運営会社(株式会社サガンドリームス)の熱意に、監督、選手、スタッフの努力に、そして関係者の協力に感謝している。昨季からは考えられない状況に戸惑いを覚えているところである。

 松本監督が常に記者会見で述べられている「チームはサポーターの支援・応援に支えられている」との感謝の気持ちが、監督、選手、スタッフだけでなく、運営会社、支援している行政や企業、そして、サポーターが一丸となって目標に向かって前進する原動力になっているのではないだろうか!

 昨季までは考えることもできなかったが、この感謝の気持ちを忘れなければ、新生サガン鳥栖が近い将来、J1で闘う姿を見ることができるのではないだろうか。今から楽しみである。


 テクニカルスタッフ 17.5.29

 5月28日の山形戦では好調なFW新居(2得点)、FW鈴木(1得点)の活躍で快勝している。信じられない思いで速報を見ていた。ホームで零対2と完敗していた相手であり、先取点を取られると難しいと思っていたが、完封こそ逃したが、先制点を取り、追加点を取り、駄目押し点を取る理想的なパターンである。

 2年前に生放送が少ないなどの理由で契約を停止していたスカパーをサガン鳥栖の快進撃(アウエーの勝利)を見たくなり再契約した。今日の録画放送をゆっくり見たいと思っている。

 ところで、5月28日の佐賀新聞に「テクニカルスタッフ中村さん 好調を支える『頭脳』 課題や攻略法を分析」との見出しで、今季から設けられたテクニカルスタッフが紹介されている。

 J2リーグ14節終了時での7勝4分け3敗(2位)の成績は、選手の頑張りが第一ではあるが、それを指導している監督・コーチの力が大であることは言うまでもない。その指導も練習環境の整備や相手チームの分析があってこそ的確にできるということではないだろうか。

 この成績がリーグ戦終了時まで継続できると思っている人は少ないと思う。昨季よりレギュラーと控え選手との差はないと思っているが、他のチームに比べると夏場を乗り切るには選手層は薄いのではないだろうか。5月22日のサテライトの試合でも怪我人等のためユースの選手を動員しないと試合ができない状態であった。

 だから、選手を補強すべきだと主張する人がいるであろう。J1昇格達成のみが目標であれば選手補強を優先すべきだと思うが、今はプロサッカーチームとして、地域に根ざしたチームとして、何が足らないかを検証し、それを補強している時であり、選手補強のみが先行することは避けるべきだと思っている。

 チームを支える運営会社(株式会社サガンドリームス)の体制を強化し、さらなる観客動員を図り、広報媒体としての魅力をアップし、収入を確保することができなければ選手補強もできないのではないだろうか。

 幸いにも、株式会社サガンドリームスが社員募集をHPで行ったところ380名の応募があったとのことである。これまでのサガン鳥栖でないことを多くの人々が認めた結果だと思うが、先を見ながらも足元を確実に固めていただきたいと思っている。


 50万人 17.6.5

 6月4日の甲府戦では、アシストクラブ(ボランティア)に参加していたため、開始早々の2失点とFW鈴木の得点を見ることができなかったが、FW新居の得点シーンを見た。先制された油断を指摘すべきであろうが、同点に追いついたチームに感動を覚えた一瞬であった。

 前回の借りを返すことはできなかったが、あと2試合の対戦が残っている。次回に期待したい。今日のスカパー録画放送を見て、もう一度感動を味わうつもりである。

 ところで、チームのHPでも報告されているが、「J2サガン鳥栖」として50万人の観客数になったとのことである。昨年までの6年間で44万6,542人、今季が7試合で5万4,619人で合計50万1,161人(133試合、平均3,768人)ということである。

 50万人という数字を見て感じたことを述べてみたい。

 それは、鳥栖スタジアムを中心とした30Km内の人口が50万人程度だったと記憶している。それが、サガン鳥栖がアピールできる範囲ではないだろうか。その内2%の人々が応援にきたとしても1万人である。 過去の観客動員数からも7千から8千人が一つの目安と考えられるところ、今季の平均7,803人は評価できる数字だと思っている。

 時期早々かもしれないが、チームの好成績からJ1昇格を視野に入れて、倍の1万5千人を動員するための方策を検討すべき時期になったようである。そのためには30Km内の人々に「サガン鳥栖」「鳥栖スタジアム」の情報が届いているのかどうかを検証すべきではないだろうか。

 「サガン鳥栖」「鳥栖スタジアム」の情報発信は、昨季に比べ佐賀県内では大幅に増大していると思われるが、福岡県内については同じ程度ではないだろうか。県境という大きな壁があるが、会社、支援している行政、企業、団体、サポーター等が一体となって努力すべきことだと思っている。 


 バランス 17.6.12

 6月11日の草津戦は、零対1の敗戦であった。最下位の草津に負けるとは‥‥、不可解な審判だけでなく、選手の気持ちも、応援するサポーターの盛り上がりでも負けていたのではないだろうか。

 これまでの闘いでチームの骨格が固まってきたと感じていたが、逆に安心感が生じ、誰かが仕掛けるだろうとの気持ちがチーム全体を消極的させたのかもしれない。

 このような試合で勝利を獲得するためには、失点の可能性もあるが、バランスを崩してでも攻撃しなければならない。その選択がない以上、引き分けでも良しとされるゲームだったのではないだろうか。

 そのゲームプランが崩れたのが、選手のミスではなく、審判の誤審とは‥‥、これもサッカーと言わざるを得ない。チームとして抗議することは必要だと思うが、気持ちを切り換え、次の試合に臨むことが多くのサポーターの期待に応えることになると思っている。

 私としては、J2リーグの3位をキープしていることが不思議である。今季のJ2リーグは1強11弱の状況が続いており、2位グループからどこが抜け出すかが問題である。サガン鳥栖もその候補であるが、まだ、まだ、チームの経験が少ない。ブラジル人を補強したとしても、今のメンバーでJ1で闘うことは無理である。

 今季は、3年計画の1年目であることを忘れてはならない。バランスの良いチームになっており、後は、試合をコントロールできるチームになることが課題だと思っている。1試合1試合の勝敗に一喜一憂しながら、チームの育つ姿を見守りたい。

 チームとともにサポーター、地域スポーツ、応援している企業・団体等が成長することが、Jリーグの百年構想ではないだろうか。


 危機管理 17.6.19

 第16節鳥栖スタジアムにおいて、チームの危機管理能力が試される事件が発生した。審判の誤審問題であるが、試合終了後におけるサポーターへの対応、その後のJリーグへの対応(質問状の提出)、サポーターへのメッセージ(チームHP掲載)などチーム対応は適切に行われたと思っている。

 問題に対する真摯な対応とともに、的確な情報発信ができたと感じているが、全ての危機に的確に対応できるかというと不安な面がある。マニュアルもあると思うが、想定外の事件も発生するので、「組織としての対応」の迅速性を日ごろから心がけることが必要になってくるのではないだろうか。 


 ライバル 17.6.19

 6月18日の湘南戦は、3対4の乱打戦だったようである。速報を見ながら一喜一憂したが、新聞等を見ると一瞬のミスを突かれたゲームのようであり、ゲームをコントロールできないDF陣の弱点も見えてきたようである。夏場のゲームで集中力を維持することは難しいとは思うが頑張っていただきたい。

 一方、FW陣の頑張りに脱帽である。得点ランキングに鈴木孝明選手、新居辰基選手の名前を見ることができるようになったことはサポーターとして嬉しい限りである。

 永遠のライバルであるアビスパ福岡を逆転するチャンスであったが、仲良く2連敗で甲府に2位を奪取された。17試合が終了した時点で、2位甲府と8位湘南との勝ち点差は5点であり、2連勝2連敗で逆転する。したがって、サガン鳥栖も2位にも、8位にもなる可能性があるということである。

 これからの夏場の試合(次節からナイター)をどのように乗り切るかが問題である。未経験者が多いチームにとって、指導者の果たす役割が高いと思われる。十分な休養と適切な食事を指導していただきたい。

 ところで、6月17日(土)の西日本新聞7面の「聞きたい」コーナーにサガン鳥栖の運営会社である株式会社サガンドリームスの代表取締役である井川幸広氏のインタビュー記事が掲載されている。サガン鳥栖運営に関する手応えとチームの将来像について語られていた。

 さらに、6月17日(土)の西日本新聞(夕刊)8面の「大人が愉しむこだわり情報 ぷらり」(紙面の2/3)にサガン鳥栖とアビスパ福岡の各種情報が満載されていた。メインテーマ「スタジアムへ行こう!」、キャッチコピー「激闘!九州ダービーから目が離せない」、両チームの「監督のインタビュー」、「グルメ」「オフィシャルグッズ」「スケジュール」「チケットの購入方法」「スタジアムガイド」が掲載されていた。

 西日本新聞に、これ程の内容が掲載された記憶がない。チームの成績だけでなく、チームの運営、下部組織、サポーターの応援についても永遠のライバルとして認め合い、お互いが切磋琢磨する関係を構築しなければならないと思っている。


 ブランド効果 17.6.26

 6月25日の徳島戦は、1対1の引き分けであった。得点シーンを見ることはできなかったが、開始早々のFW新居選手の得点で勝てるかなと期待させた。全てを見たわけではないが、当たっていた相手GK高橋選手(元サガン選手)を褒めるべきかもがしれない。

 後半戦は前半戦の頑張りが響いてリズムを悪くしたようである。この夏場の闘いでゲームをコントロールできない試合が続いている。他の2位グループのチームも同じように引き分けたり負けたため、4チームが同じ勝点で並んでいるという混戦を演出している。

 後半戦でJ1昇格へダッシュするためにも、全ての試合で勝点をゲットする強い気持ちが選手に求められているのではないだろうか。

 一方、観客は11,631人と昨年の3倍以上となっている。チームの好成績と新運営会社や佐賀県プロサッカー振興財団の努力の成果であり、これまでチームを応援・支援してきた一人として感謝、感謝の気持ちで一杯である。

 次は、この観客増を営業活動に生かすことができれば、チームがJ1に昇格しても、逃しても、チームの財政基盤が確立されることになると信じている。そのためには、応援に来て楽しかったとの感動を与え続けることが重要になってくるのではないだろうか。

 幸いにも、佐賀県プロサッカー振興財団の協力により各種イベントが企画運営されている。徳島戦では「日本におけるドイツ年」のPRが鳥栖市役所・鳥栖市JCの協力で実施されていた。このように、試合だけでなく、他の楽しみもあっていいのではないだろうか。

 6月26日の佐賀新聞では「好調サガンでブランド効果」との見出しで、UCCカレー(UCC上島珈琲佐賀営業所)が紹介されている。シール3枚でサガン鳥レギュラーチケット1枚が毎月50枚当たるということである。

 サガン鳥栖が「ブランド」に成れたかどうかは判らないが、私の身の回りでもサガン鳥栖のことを話題にしたり、質問してくる人が増えたのは事実である。


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