い草畳表の効果

二酸化窒素やシックハウッスの原因とされる化学物質を吸着します
 空気には人間の健康を害する二酸化チッ素というガスが含まれていますが、なんと畳にはこの二酸化チッ素を吸収する働きがあるのです。毛糸や木綿、ふすま紙、障子紙、畳表などを並べ、どれが一番早く二酸化チッ素を吸着するかという実験の結果、畳表がダントツの一位で他を大きく引き離しました。私たちが気づかないうちに、畳は部屋の空気を浄化するエアコンデショナーなのです。

保温・断熱の効果があります
 床はたくさんのワラを圧縮して作られているので、間に空気が一杯入っています。畳表の原料であるイグサも、中はスポンジ状の植物ですからもちろん空気を含んでいます。空気には熱を伝えにくい性質があるのを皆さんご存知でしょう。ということは、畳は夏には暑さを遮断し、冬には外の冷たい空気を遮る断熱材の働きをしているんです。また、それをそのまま保つ保温性も併せ持っています。これは、最近増えてきた化学床を使用している畳も、断熱材が使用されているため性能は変わりません。

室内の湿度を調節します
 そのほとんどが植物でできている畳は、空気を含むと同時に、湿気を吸ったり吐き出したりしているのです。木の柱や、障子も同じ働きをしますが、畳の場合はもっとガンバリ屋さん。畳1枚で約500ccの水分を吸収することが出来るのです。しかも、空気が乾燥してくると自然に放湿し、部屋の湿度を調節してくれます。まさに天然の湿度調節器。湿度の高い日本の気候にぴったりの住宅材料といえるでしょう。

適度な弾力があり、転んでも安心です
 素足で畳の上を歩くとき、他の床材と比べて歩き心地がいいと思いませんか。これは、畳に適度な弾力があるからなんです。畳床は、40センチ厚さに積んだワラを5センチほどにギュッと圧縮しています。だから、歩くときに適度なかたさや柔らかさを感じるのです。この微妙な弾力性は畳ならではのもの。ハイハイをする赤ん坊がはいずり回っても大丈夫。また、適度な弾力性のお陰で転んでも衝撃が小さく、子供や足腰の弱いお年寄りにも安全です。寝る場合も、畳は背中にちょうど良いかたさなのです

音や振動を吸収します

畳の部屋に入ると、衣ずれの音になんとも言えない静粛さを感じます。これは畳がもっている、吸音性と関係しています。部屋の中の余分な音を、畳はやさしく吸い込んでくれるのです。フローリングの部屋だと下の階に響くような音も、和室だと気にならないというのは、畳が音を遮ってくれるからです。そして、遮音効果が私達に心の安らぎをもたらしてくれるのです。


香りによる鎮静効果(アロマセラピー)があります
 畳の部屋でリラックスできるのは、畳の醸し出す独特の匂いと関係しています。畳の香りと、イグサが本来持っている「干し草の香り」に、泥染めの時に使う「染土」がブレンドされたものです。イグサの香りには鎮静効果があり、まるで部屋の中で森林浴をしているのと同じような効果をもたらしてくれます。この心地良い香りで、私達は心身ともにリラックスできるのです。

畳の色相は他の素材とも相性抜群です
 畳の部屋にいると何故だか落ち着く。日本仁なら、常に日頃感じている事です。これは、人間の目に映る色彩の落ち着き感とともに、皮膚が感じる「光」と関係しています。人間の皮膚は呼吸していると同時に光も吸収しています。そして人は、自分の皮膚の色に近い反射率の色を感じると安心できるという本能があります。畳の部屋の反射率は、日本人の皮膚の反射率とほぼ同じ。だからこそ日本人にとって畳の部屋は安らぎを覚える空間なのです。