第517回  自然の不思議

 
平成14年 12月 19日〜


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。

私たちは知っているようで、知らないことがかなり多いものです。

「砂漠」と聞くと、まったく水がないもの、一年中乾燥している
ものと思いこんでいますが、実はそうばかりではないようで、
突然に大きな川が出現する砂漠もあるそうです。


お隣の国、中国の西部、タクラマカン砂漠は、日本とほぼ同じ
広さを持つ大きな砂漠ですが、この砂漠には、夏の間だけ
大きな川が現れ、人びとは、この川の水を頼りに砂漠の中で、
農作物を育て生計をたてているということです。


砂漠に川が現れるのは一年のうちでわずか三カ月だけ、
6月の上旬から9月まで、全長実に500キロメートルもある
大きな川が現れてくるのはとても不思議なことです。


それは、標高5000メートルの山々が続くコンロン山脈の
氷河が夏の暑さで溶けて、いっせいに流れ出し、その大量の
水が川となり、やがて砂漠の中に大河を出現させるのです。


お隣の国のこの偉大な自然現象をテレビで見ながら、
私たちの常識はあまりにも片寄っており、知らないことが
多いことを感じました。 

この日本で生活していると、川の水は年中、流れているもの、
渇水が続いても一雨くればすぐ元に戻るものと思い込んでいます。


こうした自分の体験だけで、自然の現象を知ったつもりになり、
それが当たり前だと思い込んでいます。


砂漠で生活している一人の老人が、「この川の水は人間の
血液のようなもの、自分たちの命を支えてくれる」と
言っていました。


川の水も、雨も風も雪も、そして体の中を流れる血液も、
何の不思議も感ぜず、当たり前のことだと思って生活して
いますが、よくよく考えてみると大変不思議なものです。


ところが私は何の感激もなく、驚きも喜びも感じていません。

 南无阿弥陀仏のお念仏は、こうした自然の偉大な働きに
気づかせ、私たちにその働きの中に生かされていることの
不思議を、驚きを知らせ、やがては、間違いなくお浄土へ
生まれさせて頂くことをはっきりと教えていただく、大きな働きが
あるようです。


よくよく眺め味わってみると、私の周りのどのことひとつを
取っても、有り難うございますと喜び感謝せずにはいられない
ことばかりです。


おかげさまでと言うより他にないことばかりと、気づかせて
いただく、南无阿弥陀仏は、当たり前が当たり前でないことを、
教えていただくものだと、つくづく味わわせていただきました。


妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、12月26日に新しい内容に変わります。