第487回 今を生きる

平成14年 5月23日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございます。こんな話を聞きました。

私たちは、いつも次のこと、次のことと、将来のこと明日のことばかりを考えて、
今この時を生きていないのではないか。ということを聞きました。


食事をしていても、その食事に集中することが出来ずに、ついつい食事
以外の他のことを考えて黙々と食事をしています。


用事が出来て出かける時も、その道筋では、到着後のことを考えていたりして、
心はそこにありません。


仕事ではなく、ゆっくり散歩に出かけても、歩いている道順の周りの風景を
見ることも忘れ、目に入っても感じる事なく、次のこと他のことを考えて、
ひたすらに歩いているのではないでしょうか。


いつも今、その時、その瞬間を忘れて、生きているために何となく落ち着かず、
いつのまにやら時間だけが経過して、生きていることの喜びを感じる事が
少ないかも知れません。


 よくもの忘れが多くなってきた、今朝何を食べたのか、食べたものも
忘れるようになった。
もっと症状が進んでくると、食べたのか食べていないかも記憶になくなって
くるもののようです。病気でそうなることもあるでしょうが、多くの場合私たちは、
その時その時、その瞬間その瞬間を充分に味わっていないために、確かな
印象が残らず、はっきりとした記憶が薄れ、何でも忘れてしまっているのでは
ないかとも思います。


今この時を味わう、食事のときにはその食べ物の一つ一つを味わい。
歩くときは歩いているその道をしっかりと踏み締め味わい、遊ぶときには、
その遊びに夢中になる。


その時その時に集中して生きていくことが、人生を豊かにし、感激を喜びを
実感することになるのではないかと思います。
お念仏の生活とは、今を生きること、将来のことはお任せして、今を生きること、
南无阿弥陀仏のお名号とともに、今をこの瞬間瞬間を、力いっぱい生きること、
それが念仏者の生活ではないかと思います。


明日に向かって今を忘れて生きるのではなく、今この時を精一杯味わい、
力の限り今この瞬間を生きること、それが南无阿弥陀仏の教えだと味わいます。
喜び多い人生だと思います。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
次回は、5月30日に新しい内容に変わります。