第373回 不思議なつながり


     平成12年 3月16日〜

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。
みなさんは大きなホテルや、旅館に泊まられたとき、
そのホテルの案内の冊子とともに、赤い表紙の仏教書が
あったことにお気づきになりませんでしたか、
仏教伝道協会というところが、設置しているものです。

キリスト教の聖書を置くホテルは多いものの、仏教書を
置くことがないので、昭和40年から一人の実業家、
沼田さんという方が私財をなげうって発足された機関です。

すでに550万冊が病院やホテル、一般家庭に置かれて
いるそうですが、どこでも読めるようにと小型化した
ポケット版、普及版を送っていただきました。


その中に、こんなところがありました。

「 人びとの苦しみには原因があり、人びとのさとりには
道があるように、すべてのものは、みな縁(条件)によって
生まれ、縁によって滅びる。


雨が降るのも、風の吹くのも、花の咲くのも、葉の散るのも、
すべて縁によって生じ、縁によって滅びる。


この身は父母を縁として生まれ、食物によって維持され、
また、この心も経験と知識とによって育ったものである。


だから、この身も、この心も、縁によって変わるといわ
なければならない。


網の目が、互いにつながりあって網を作っているように、
すべてのものは、つながりあってできている。


一つの網の目が、それだけで網の目であると考えるならば、
大きな誤りである。
網の目は、ほかの網の目とかかわりあって、一つの網の目と
いわれる。

網の目は、それぞれ、ほかの網が成り立つために、
役立っている。
花は咲く縁が集まって咲き、葉は散る縁が集まって散る。
ひとり咲きひとり散るのではない。

 縁によって咲き、縁によって散るのであるから、
どんなものも、みなうつり変わる。


ひとりで存在するものも、常にとどまるものもない。
すべてのものが、縁によって生じ、縁によって滅びるのは
永遠不変の道理である。

だから、うつり変わり、常にとどまらないということは、
天地の間に動くことのないまことの道理であり、これだけは
永久に変わらない。 」



とあります。                         
私たちは、一つの原因で一つの結果が出るような錯覚を
もっています。

勝手に自分で条件を決めてそれさえ実行すれば、
希望どうりの結果が得られると思いがちです。


しかし、あらゆる縁がととのったときはじめて、結果が
出るのです。


お念仏に出会うのも、自分の力ではなく、これまでの
数限り無い縁が重なってはじめて出会えるのです。
南无阿弥陀仏を口にすることができるご縁を、心から
喜びたいものです。


妙念寺電話サービスお電話有り難うございました。

次回は、3月23日に新しい内容に変わります。


   仏教聖典(仏教伝道協会)
    おしえ 第二章 因縁 第二節 不思議なつながり 
      p41〜 一部引用