生命の仕組み

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。

イギリスでクローンの羊の誕生につづいて、

今度は日本で、クローンの牛が世界で初めて

誕生したというニュースが入ってきました。


ちょうど、遺伝子の研究で大きな功績をあげられた、

筑波大学の村上和雄先生の講演を聞きに行く

途中でそのニュースを聞きました。


村上先生のことは、この電話サービスで、

今年の一月に 「 生命の暗号 」 という本をご紹介しました。

生命の仕組みは、驚くほど不思議なことばかりです。       

人間の体重1キロにおよそ1兆の細胞がありますので、

体重60キロの人は、60兆もの細胞から

成り立っているといいます。


そして、驚くことにこの一つ一つの細胞のすべてに、

親から受け継いだ、同じ遺伝子が組み込まれているといいます。

その一つ一つの細胞は、遺伝子の指令で自分の務めを

果たしているのですが、遺伝子の、わずか5パーセントだけが

指令を出して、その他の95パーセントは、遺伝情報の

スイッチが入らない状態だといいます。


その情報を働かせるのは、人間の心の状態によるのでは

ないかと言われます。

心と強く反応する遺伝子があるのではないか。


幸せをつかむには、自分の遺伝子を、どう刺激し、

どう働かせるかで決まるといいます。

生き生きワクワクする生き方をすれば、

よい遺伝子が働き、悪い遺伝子が働かなくなるのでは

ないかと言われます。


この地球上には、現在60億の人びとが生活していますが、

人間同士は絶えず争い、衝突しています。

人間の体の中には、世界の人口の一万倍もの60兆の細胞が、

体の中で働いています。


その細胞は見事に調和しながら自他共に生きているために、

わたしどもは、毎日、健康でいられるのです。

人間の社会の中でうまくやっていくために、

法律やルールや義務が必要となって来ます。

ところが、これらの人間が作ったものは、

遺伝子のメッセージには書きこまれておらず。


親から子供へと自動的には伝わっていきません。

親が勉強したと同じことを次の世代も勉強し直さねばなりません。

ちゃんと教えないと、いつまでたっても分からないことであります。

この義務とでもいえるものを、いかに楽しみに変えることができるかが、

人生を豊かにするか、しないかであろうと思います。


義務であっても、自分が本当に生き生きできる大きな目標のためならば、

人間は進んで楽しくやれるように出来ているようです。

すでに、仏様の仲間となり、やがて仏となる身を楽しみながら、

お念仏とともに生きて行きたいものです。

妙念寺電話サービス次回は、7月16日に新しい内容に変わります。

                       ( 平成10年 7月 9日〜 第285回 )