クローンの羊

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イギリスで、クローンの羊が誕生したというニュースは、

新しい時代が来たことを感じさせますが、

臓器移植などの医学の面での研究は、

予想以上に進んでいるようです。



これまでの常識は、生物は子供という次の世代を誕生させ、

進化して行くものであると信じられていました。

ところが、新しく誕生したクローンの羊は、

親と子の関係では無く、兄弟の関係でもなく、

まったく同じ生物、もう一人の自分を作り出すことが

出来るというのです。


それも、体の中のほんの一つの細胞の中の遺伝質を取り出して、

ほかの生物の卵の中に入れ替えてやると、

その卵とは関係なく、新しく入れ替えた生物と、

全く同じ生物が誕生してくると言うのです。


この研究で、牛などの家畜では、

品質が最も良い牛の子供を作るのではなく、

品質の良い牛、そのモノを大量に作り出していくことが

出来るということです。


この新しい技術が開発されると、

心臓や肝臓などの臓器移植で、拒否反応の少ない、

患者に適合しやすい臓器の確保が可能となりそうです。



しかし、この技術が人間に応用されると、

権力をもつ独裁者が、自分のコピーを沢山つくって

しまうのではないかと、危険視する意見も多いようです。



このクローン技術の話を聞きながら、感じました。

お釈迦様が説かれた仏説無量寿経には、お念仏の人は、

やがてお浄土に生まれて、阿弥陀如来と同じさとりを開き、

同じ働きをするということが、説かれていますが、

そのことが、なかなか理解できませんでした。



ところが、現代開発されつつあるクローンの技術を

イメージすると、お浄土で阿弥陀如来とまったく同じ

クローンの仏さまを、沢山作り出し悩み苦しむ多くの人びとを

救済する働きをさせよう、この私をクローンの仏にしようと

されていると考えれば、なんとなく理解できるように思います。



私の力では、阿弥陀如来と同じさとり等はとても開けませんが、

仏様の子供として生まれるのでなく、仏様の兄弟でもなく、

如来とまったく同じクローンの仏様にしようとの考え方で味わうと、

親鸞聖人がすすめていただいたお念仏の教えは、

とても科学的であることに気づきます。



科学や文化がどんなに進んでいっても、

決して矛盾をおこさない真実性があることを感じます。

その阿弥陀如来と同じ仏になるには、

人間が努力して修行をすることを、求められてはいません。



すべての人を間違いなく救うために、最もやさしく、

もっとも強力なお念仏を準備してくださったのです。


南無阿弥陀仏のお念仏で、この私を間違いなく阿弥陀如来と

同じ働きをさせようとの如来の願い通りに、南無阿弥陀仏、

南無阿弥陀仏の人生をおくらせてもらいたいものです。



クローン技術の中心、核になるのは遺伝子ですが、

我々が仏になる源は、私が称えさせていただく、

お念仏、南無阿弥陀仏であると、うなずけます。

妙念寺電話サービスお電話ありがとうございました。    

 次回は、7月24日に新しい内容に変わります。

                      ( 平成 9年 7月17日〜 第234回 )