み教えに聞くF (願いに応える
   人生)iモード


 特に今日、科学技術が進歩しまして、人間一人の力ではできそうになかったことが、科学の力によってたくさん達成されました。

今まで治らなかった病気も、治るものが多くなりましたし、また夏暑く、冬寒く困っていた生活も、多くの家庭で、夏はクーラーによって涼しく、冬はストーブなどによって暖かくすごせるようになってまいりました。

大変ありがたいことであり、私たちは、そういった便利さを受けとっているわけでありますが、ともすれば、その便利さの方に気を取られ、心を奪われてしまい、人間自身の内実にかかわる問題を忘れつつある、といえるのではないかと思います。

なにも便利な生活がいけないというのではなくて、そういうものにだけ心を奪われて、大事なことを忘れているということであります。

つづく


浄土真宗本願寺派大谷 光真門主述

本願寺出版社刊 「願いに応える
   人生」より
(内容転用の場合は、本願寺出版社の了承をお取りください)


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