幸平遺跡( 続 報 )

 所 在 地:佐賀県西松浦郡有田町1521・1522番地
 調査予定:有田町教育委員会


 



 

● 発掘調査の日程が仮決定



 発掘調査前の手続きや準備も、ようやくあと一歩というところまでこぎ着けた。まだ完了したわけではないので決定とはいかないが、大概的には擁壁保護など安全対策のための事前工事が完了ししだい、2月初旬からでも着手する予定である。期間は一応3月末までをめどにしているが、早くなるか遅くなるか、こればかりは実際に掘ってみなければ分からない。現在は、安全対策の工事を徐々に進めている段階であるが、すぐに水のわき出すところであるため、このところの天気の悪さがちょっと心配である。


発掘調査予定地の現況


 本日ご紹介するのは、その安全対策のための工事の際に出土した色絵製品の一つである。
 口径14.9cm、底径6.5cm、器高7.3〜7.6cmほどの大振りの碗で、素地は完全に釉が熔けておらず、やや生焼け状態に近い。外面胴部一面には赤絵具で花唐草文を描き、ところどころに点状に緑の絵具を散らしているが、内面は無文である。
 1660年代前後に海外に輸出された典型的なスタイルの製品で、近接する有田郵便局敷地の発掘調査でも、同種の碗は多く出土している。つまり、仮にこの幸平遺跡の地点に赤絵屋があったとすれば、こうしたタイプの碗は当時複数の赤絵屋で生産されていたことになる。 


 色絵碗              (側面)                      (底面)                  

              

 



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